「北朝鮮兵の投入」をひた隠すロシア、プーチンは記者会見で触れず、前線では戦死した北朝鮮兵士の顔を焼き痕跡隠滅
■ 1万1000人を派兵した北朝鮮軍、戦死した兵士の中にはロシア軍に顔を焼かれる者も ウクライナ戦争でロシアに砲弾と弾道ミサイルを提供してきた北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記はプーチンと包括的戦略的パートナーシップ協定を結び、協定は12月4日正式に発効した。北朝鮮軍はクルスク州でロシア軍とともにウクライナ軍と戦うため約1万1000人を派兵した。 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は12月16日、メッセージングアプリのテレグラムに「ロシアはウクライナの陣地に対する攻撃に北朝鮮兵士を参加させるだけでなく、これらの兵士の損失を隠蔽しようとしている」と投稿した。 「北朝鮮兵士の存在を秘密にしておこうとする試みがあった。彼らが訓練を受けている間、顔を見せることも禁じられた。ロシア軍は北朝鮮兵士の存在を示すいかなる証拠ビデオも削除しようとした。ロシア軍はウクライナ軍との戦闘で死んだ北朝鮮兵士の顔を燃やそうとしている」 「今ロシアに蔓延している人間的なものすべてに対する侮蔑を示すものだ。朝鮮人がプーチンのために戦い、死ぬ理由はない。そして彼らの死後もロシアは彼らを嘲笑うだけだ。この狂気は止められなければならない」とゼレンスキー氏はプーチンの非道を非難した。
■ プーチンはもはや「裸の王様」 ウクライナのルステム・ウメロフ国防相は11月5日、韓国の公共放送KBSとのインタビューで、北朝鮮兵士はロシア軍に交じり、露ブリヤート共和国の兵士を装っていると指摘している。ロシア軍は北朝鮮部隊を自軍の部隊編成に統合しようとしていることをうかがわせている。 自らを「戦時指導者」「ストロングマン」と位置づけるプーチンにとり、人口1人当たりの実質国内総生産(GDP)世界211位(2015年推定)の北朝鮮に祖国の領土を守ってもらわなければならないことは屈辱なのかもしれない。 ISW(11月5日)は「自国領土奪還のため外国軍を必要としていることを認めると、ウクライナ軍のクルスク州侵攻でロシア人の徴兵率が向上したというプーチンの主張を否定することになる。このためクレムリンは北朝鮮軍への言及を避ける可能性が高い」と分析している。 プーチンは主要メディアを完全にコントロールしているとは言え、SNS上では軍事ブロガーたちの投稿で北朝鮮兵士の奮闘は公然の秘密になっている。それでもクルスク州で戦う北朝鮮軍の存在を隠そうとするプーチンはもはや「裸の王様」だ。