U-17日本高校選抜コンビの活躍で尚志が初戦突破、仙台育英は攻守の要欠場響く
第23回東北高等学校新人サッカー選手権大会が1月27日、Jヴィレッジにて開幕した。1回戦ピッチ5第2試合は宮城2位仙台育英と福島1位尚志が対戦した。 【フォトギャラリー】仙台育英 vs 尚志 序盤はどちらのチームもピッチコンディションに苦しみ、ペースを握れない展開だったが、徐々に尚志が仙台育英陣内に攻め込み決定機をつくり出していく。そして20分、尚志はフリーキックのチャンスを得る。プレースキッカーはU-17日本高校選抜に選出されたMF大内完介(2年)。「(直接)狙おうと思いましたが遠かったので、ふんわり上げて落とすボールにしました」と味方に合わせるフリーキックを蹴ると、DF大須賀元(2年)がヘディングシュートを決めて、尚志が先制に成功した。 さらに尚志は29分ペナルティエリア内での仙台育英のファウルでPKを獲得。大内と共にU-17日本高校選抜に選出されたFW矢崎レイス(2年)が落ち着いて決めて2点をリード。前半はほぼ尚志ペースで2-0で終えた。 後半は仙台育英もメンバーを入れ替えながら、徐々に仙台育英らしいクロスからゴールを狙う場面が増えたが、シュートまで行く場面をなかなかつくれなかった。一方の尚志もボールはある程度保持できたものの、追加点を奪うにはいたらなかった。何とか追いつきたい仙台育英だったが、試合終盤MF佐々木颯太(2年)が足を高く上げるプレーで一発退場となり万事休す。2-0で尚志が2回戦専大北上高戦に駒を進めた。 勝利した尚志だったが、仲村浩二監督は追加点を奪えず、後半仙台育英に決定機をつくられたことから、試合後選手たちを集め、球際、対人守備の甘さや、追加点を取りに行こうという意欲に欠けたことを厳しく指導した。「いい加減なプレーが多かったです。2点取ったらそのままで良い、と攻める気がありませんでした」と選手たちの甘さを指摘した。 それでもU-17日本高校選抜に選出された大内と矢崎が共に得点に絡んだのは好材料だろう。特に大内は右サイドを果敢にドリブルで仕掛けて多くの決定機をつくり出し、プレースキックがアシストとなった。U-17日本高校選抜合宿については、「最初からやれると思っていて、平常心でできたので自信になりました」と大きな自信を得て帰って来たという。 大内の尚志での背番号7は京都サンガF.C.に加入したMF安齋悠人が昨年つけていた背番号だ。安齋からは「自分も7をつけたかったです。7番をつけるからには、尚志の7番のスタイルであるドリブル突破をやりながら、もっとゴールを取れる選手になりたいです」とJリーガーとなった先輩を目標に成長を目指す。仲村監督は「U-17でできるのは分かったと言っているので、ここから経験をどうチームに伝えるかが大事」と、合宿での経験をチームに還元することを期待していた。 仙台育英だが、昨年からボランチのレギュラーとしてプレーし、今年は攻守の要として期待されていたMF黒葛原結天(2年)が、大会1週間前の練習試合での脳しんとうのアクシデントにより今大会欠場となった。城福敬監督は「彼がいなかったのは大きかった」と黒葛原を軸としたチームづくりを進めてきただけに、影響が大きかったと語る。前半は守備の時間が長くなったが、後半はクロスによる攻撃も出せた。「やろうとしていることは後半は見えました。ゴール前での決定力が必要で、課題はハッキリ見えました」と城福監督は黒葛原不在ながらも、今できることをやろうとした選手たちを評価し、今後の修正ポイントを見いだしていた。 (文・写真=小林健志)