【袴田さん再審】無罪確定も…検事総長の談話は巌さんを“犯人視”するものとして弁護団が検察に訂正求める(静岡)
事件から58年が経過し、10月9日、検察が控訴を断念したことで無罪が確定した袴田巌さん。そんな中、検事総長が発表した談話に対し、10日、弁護団が声明を発表し談話の訂正を求めました。 58年前、静岡・旧清水市でみそ製造会社の専務一家4人が殺害された事件で、死刑が確定した袴田巌さんのやり直し裁判は、9月、静岡地裁が捜査機関による3つの証拠のねつ造を認定し無罪を言い渡し、9日、検察が上訴権を放棄したため無罪が確定。判決確定を受け、最高検察庁の畝本直美検事総長が、判決に対する談話を発表しました。 この談話に対し、弁護団は、10日、検事総長が袴田さんを犯人扱いしているとして、訂正するよう求める声明文を検察庁に提出したものです。声明文の中で弁護団は、検事総長の談話で「判示された事実には、客観的に明らかな時系列や証拠関係とは明白に矛盾する内容も含まれ」「控訴して上級審の判断を仰ぐべき内容」としているのは、袴田さんを犯人視することで、名誉毀損(きそん)にもなりかねないと指摘しました。 提出後に行われた会見で、袴田事件弁護団事務局長の小川秀世弁護士は、「無罪判決について批判が述べられているが全く誤っている。無罪判決について検察は受け入れて袴田さんに謝罪し、今後は、警察と連携したねつ造を深刻に受け止め、検証すべき」と述べ、検事総長に談話の訂正を強く求めています。