中尾さんが一席 三重・松阪肉牛共進会 「ともみ7」号、3032万円で落札
歴代5番目の高値
特産松阪牛のクィーンを決める「第73回松阪肉牛共進会」(松阪市など主催)が24日午前9時から、三重県松阪市伊勢寺町の松阪農業公園ベルファームで行われ、最高賞の「優秀賞一席」に多気郡明和町池村の中尾教昭さん(63)が肥育した「ともみ7」号が選ばれた。度会郡大紀町産の牛の6連覇を阻止した。午後の競り市で朝日屋(津市)が、歴代5番目の高値となる3032万円で落札した。 特産松阪牛は兵庫県産の雌の子牛を松阪牛生産区域内で900日以上肥育した牛。10月26日の予選会を通過した50頭が出品され、午前9時から審査が行われた。 「ともみ7」号は兵庫県姫路市生まれで、体重688キロ、肥育日数は1082日。審査長の梅木俊樹・県畜産研究所主査研究員は「背腰の幅、張り、胸の深みが極めて豊かで体積感に優れ、体のバランスがよく、全身の輪郭が極めて滑らか。被毛の質もしなやかで、非の打ち所のない完成度の高い牛」と絶賛した。 昨年、優秀賞三席だった中尾さんは「猛暑の中での肥育には細心の注意を払いケアに努めた。目指してきた優秀賞一席がかない、とてもうれしい」と喜びをかみしめた。 一席は31回連続で朝日屋が、昨年を28万円上回る3032万円で落札した。過去最高は01(平成13)年の5千万円。2番目は4952万円(1989年)、3番目は4090万円(90年)、4番目は3310万円(2015年)。
相可高生徒が育てた「にしき」号は800万円 過去最高額
多気町相可の県立相可高校生産経済科の生徒7人が育てた「にしき」号は、瀬古食品霜ふり本舗(松阪市稲木町)が800万円で落札。同科の出品履歴の中では07(同19)年の757万円を超えて最高額となった。 中桐悠惺さんら3年生は「愛情を持って育ててきた。肥育期間が長期におよび、その間、病気やけがを心配していた。牛舎の清掃と牛の体重管理に力を注いだ」と喜びを分かち合った。
平均値は343万円 競り市に33社参加
午後1時からの競り市には33社が参加。主催者は「記録的な暑さの中、品質管理に努め、この日のために肥育に励んで来られた。物資高騰など肥育環境は厳しい。皆さまには弾みを付けていただければ」と働き掛けた。 結果、50頭の落札価格は最高が3032万円、最低が180万円(前回比1万円増)で、平均343万円(同10万5千円増)だった。 中尾さん以外の入賞者と購買者は次の皆さん。 ▶優秀賞二席=「もりみやふじ2」号/岡田一彦(大紀町野原)=「朝日屋」950万円 ▶同三席=「てるわか」号/堀久文(松阪市美濃田町)=「鉄板焼き団居」541万円 ▶同四席=「えり」号/西田裕哉(大紀町打見)=「朝日屋」520万円 ▶同五席=「おくわか」号/中村一昭(大紀町野原)=「同」451万円