考察後編『全領域異常解決室』ラストまで「なんで!?」「まさか!」連続、続編にも期待
5話でジャンルごと大きく変化を遂げ、ラスト2話でとんでもない展開が次々と!12月18日に最終回を迎えた『全領域異常解決室』(10月9日スタート、フジテレビ 毎週水曜よる10時~全10話)をドラマを愛するライター・釣木文恵が振り返ります。*レビューはネタバレを含みます。
目まぐるしく変わる「ヒルコ」の正体
不可解な事件に挑むミステリーが5話で突然、「神vs神」という、字面だけ見たらまるで『ドラゴンボール』のような世界観に変わった『全領域異常解決室』。レビュー前編で8話までを振り返り、ラスト2話でどう収束していくのか……と思ったら、この2話がとんでもなかった。本当にこのドラマは終わるのか? と思うほど新たな神が次々に登場。ヒルコ(蛭子)の正体かと思われる人物も次々と移り変わり、そのたびに襲われてたいへんな目に遭う興玉雅(藤原竜也)……。5話分くらいのできごとが目まぐるしく展開していった。 神の中でもとりわけ重要な存在・天岩戸別神は誰なのか──。大きな謎が明かされ、それは興玉であると判明。彼が消えると、八百万の神々がすべて黄泉の国に引きずり込まれてしまうという。ヒルコの目的は今いる神を一新し、新たな世界を作り直すこと。だから興玉を殺し、神を一掃しようと企んだのだ。 呪符を貼られて操られた宇喜之(小日向文世)の攻撃によって瀕死の重傷を負う興玉。だが、初登場のスサノオ(岩川晴)の能力によってなんとか回復。スサノオは幼い男児で、しかも父親から虐待を受けている。これまた初登場の一言主神(草野イニ)が誰にでも変身できる能力を使って直毘吉道(柿澤勇人)に扮し、荒波(ユースケ・サンタマリア)にかまをかけ、どうやらヒルコはテミスホールディングスの寿正(野間口徹)らしいことをつきとめる。 さすがデータ解析のプロとも言うべきか、寿は興玉とともに戦う豊玉(福本莉子)や芹田(迫田孝也)の能力を封じる対策を立てて立ち向かう。3人まとめて連れてこられた場所にヒルコとして登場したのは、二宮のの子警部補(成海璃子)! かつて、善悪を見分けられる能力で二宮を見た興玉が「純然たる正義」と言いつつ、「善意でも悪意でもどちらかひとつに染まった時の人間が一番恐ろしい」と言っていたのはこの伏線だったのか。