ひとり乗りだけど「これでいいのだ!」 KGモーターズが開発中の超小型EV「ミニマムモビリティ」試作1台目の完成を発表
レトロだけど未来的なデザインはインパクト抜群!
「今日より明日が良くなる未来」をミッションのテーマとし、超小型モビリティの開発を進める広島県のベンチャー企業、KGモーターズが、2024年1月31日にひとり乗り超小型EV「ミニマムモビリティ」の試作1台目が完成したことを発表した。今後、この車両を用いて各試験の評価項目を検証・設定していき、2025年には車両価格100万円を目標に300台の量産販売を目指すという。 【画像ギャラリー】ひとり乗り超小型EV「ミニマムモビリティ」プロトタイプのインテリア ミニマムモビリティは全長わずか2450mm、全幅も1090mmという原付ミニカー規格のひとり乗り超小型EVだ。運転席は車体中央に設定され、走る楽しさと気軽さに加え、エコを追求した「次世代のチョイ乗りモビリティ」をコンセプトに開発されている。 車体デザインのモチーフとなっているのは1980年代のポラロイドカメラ。レトロでありながら、近未来を感じさせる前後対称の独特なデザインを採用している。2023年の東京オートサロンと大阪オートメッセでコンセプトモデルが展示されていたので、そのファニーな姿をご記憶の読者もおられるのではないだろうか。 小型で軽量なため環境性能に優れ、原付ミニカー規格だから車検が不要で自動車税も安く収まる。乗車定員は1名だが、ドアとエアコンが付いているので快適な走行環境が得られる。 充電はAC100Vの家庭用コンセントで行い、5時間で満充電となる。航続距離は100kmだ。また、ソフトウェアはOTAによってアップデートすることができ、進化するモビリティを目指していると同社からアナウンスがあった。
気になる車両スペックと今後のビジョン
KGモーターズは今回の発表を機に、1月31日から2月2日までの3日間、関係各社に向けてお披露目会を開催した。 東広島の拠点には、投資家や協力会社、メディアを含む15社が集まり、楠一成代表取締役CEOから試作車両の完成とそのコンセプトについての詳細が報告された。また、目標販売価格である100万円に向けたターゲット原価についても説明が行われた。 さらに、共同創業者であり取締役の横山文洋氏からは、量産に向けた資金調達スケジュールや資金使途の共有が行われた。調達のためのマイルストーンも発表され、KGモーターズの成長に向けた戦略的な計画が明かされている。 最後に、ミッションビジョンの共有が行われ、今後の人口減少時代においてエネルギー効率が高く、維持コストが安い超小型モビリティの重要性が改めて強調された。同社は超小型モビリティの開発を通じて、「今日より明日がよくなる未来」を実現させるべく事業を推進していくとしている。 国土交通省の調べでは、日本の自動車利用の約7割は10km以内の距離をひとりで移動しているのだという。ひとり乗りの超小型モビリティは、そうした利用実態に即したジャストサイズなモデルだと言える。 住宅街の狭い路地や道幅の狭い農道などで取りまわしが良いことから、運転に不慣れなドライバーにも適しているうえ、EVならば環境負荷が少なく経済的にも優しい。今後ますます注目すべきセグメントなのではないだろうか。 KGモーターズ「ミニマムモビリティ」 試作車スペック 全長:2450mm 全幅:1090mm 全高:1500mm 定格出力:0.59kW ピーク出力:5kW 航続距離:100km 充電AC100V:5時間 乗車定員:1名
TET 編集部