JTB、健康管理は仕事のためだけではなく「自分ごと」 社員自身が主体となって取り組めるような職場風土の醸成に注力
【わが社の「健康経営」】 仕事があまりに多忙だと、健康管理に取り組む意欲がそがれがちだ。とはいえ、自ら健康管理を怠ったことで、病気にはなりたくない。JTBグループでは、社員自身が主体となって、健康づくりに取り組めるような職場風土の醸成に力を入れている。 【取り組みの背景と主体的支援の充実】 同社が健康経営宣言したのは2017年。当初は、定期健康診断やがん検診の受診率やリスク群の受診勧奨、ストレスチェックの集団分析による職場改善、健康管理のデータを基に改善を促す施策など、法定対応が中心の健康管理だった。 だが、社員が能力を最大限発揮するためには、心身ともに健康でイキイキと働くことが重要である。このことから会社主導の健康管理にとどまらず、社員の主体性を原動力とした持続的かつ組織の活力を生み出す健康保持・増進のあり方へシフトしたという。 「社員が健康保持・増進に取り組む目的や意義を十分に理解したうえで、健康増進に向けた職場のコミュニケーションを活性化することができるように、情報や仕組みを整備しています。こうした組織風土を形成しながら、社・グループの健康課題への取り組みや働き方の質的向上を両軸で推進することで、組織の生産性や創造性の向上を目指しています」と、同社人事企画チーム人事企画担当マネジャーの小谷正樹氏は話す。 【働き方の多様化と必要な情報と機会の提供】 同社は社員のライフスタイルに合わせて選択可能なワークスタイル制度を導入している。テレワーク、勤務日数短縮、フレックスタイム、さらには、転居を伴う遠方の事業所への異動の際に、テレワークをベースに居住を登録している場所で転居なしで働くことができる「ふるさとワーク」の制度もある。 「多様な働き方が実現できている職場環境では、社員自身が健康経営を理解し、主体的に取り組むことがより一層重要になります。そのために、全ての社員が必要な情報や機会を得られるように、健康アプリの活用やオンラインセミナーの実施、健康イベントの開催など、さまざまな取り組みを行っています」(小谷氏) たとえば、自宅で仕事をしていても、健康アプリやオンラインセミナーなら、健康経営の恩恵は受けられる。ストレスがたまりにくいワークスタイルを選択したのに、暴飲暴食や運動不足で不健康につながっては元も子もない。健康も自分で管理することが重要だ。