中国の董軍国防相、汚職の疑いで調査とFT-前任者2人に続く
(ブルームバーグ): 中国当局が董軍国防相を汚職の疑いで調べていると、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が27日報じた。人民解放軍では高官の粛清が相次いでいるほか、董国防相の前任者2人も汚職に絡んで共産党から党籍を剥奪されていた。
FTは事情に詳しい匿名の現職や元米当局者を引用し、「汚職を巡る広範な調査の一環で」董氏が調べを受けていると報道。同氏に対する疑惑の詳細は示さなかった。
中国国防省にファクスでコメントを求めたが、すぐには返答がなかった。
習近平指導部が昨年夏、2017年までさかのぼる装備品購入に関する汚職調査を開始して以降、十数人余りの軍高官が追放され、李尚福前国防相と魏鳳和元国防相の党籍も剥奪された。
就任から1年足らずの董国防相が失脚すれば、同調査がまだ続いていることを示し、身辺調査のプロセスを巡り新たな疑問が生じることになる。
中国国防相の主な任務は他国との軍事外交を率いることで、軍の指揮で直接的な役割を果たすことではない。だが、中国が自国の領土と主張し、バイデン米政権が防衛に言及した台湾周辺での演習が強化される中、董氏を巡る調査が事実なら中国軍内部の混乱を示唆することになる。
董氏が国営メディアに最後に登場したのは今月22日。訪問先のラオスでトンルン国家主席と会談したと報じられていた。一方、董氏は現地でオースティン米国防長官との会談を見送った。中国側は米国に責任があるとし、台湾に関する「誤りを直ちに是正」し、中国の核心的利益を尊重するよう求めていた。
原題:China Defense Minister Investigated for Corruption, FT Says (1)(抜粋)
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