【急死を防ぐ】多忙で手術を先送り→数週間後に破裂して死亡。「大動脈瘤」の怖さを医師が解説
――どれくらいの大きさになると手術が必要になるんですか? 一般的に直径5cmを超えると破裂しやすい状態なので、手術することになります。しかし部位によっては5cm以下でも手術が必要になることもあります。 大動脈瘤が破裂してからの手術は、救命率が10~15%とかなり低くなるので、大動脈瘤と診断された場合、「まだ小さいから……」と放置せず、治療実績の高い病院を受診しましょう。 仕事を理由に手術を先延ばししたせいで、数週間後に大動脈瘤が破裂し、亡くなられた人もいます。それほど、いつ破裂するかわからない恐ろしい病気なのです。 ――大動脈瘤を発見することは可能ですか? 胸部や腹部のCTを撮影する検査でないと、大動脈瘤を見つけることはできません。早期に大動脈瘤が発見できれば、大動脈瘤破裂による突然死リスクをかなり減少させることができるので、心配な場合は病院でCT検査を受けましょう。 ――大動脈解離と大動脈瘤は本当に恐ろしい病気なんですね。 はい。私も自分が大動脈解離になった夢を見て驚いて飛び起きたという経験があります。それほど、かかりたくない病気だということを皆さんにも知っていただきたい。 大動脈解離は、血圧管理や生活習慣を見直すことで発症リスクを抑えることができるので、まだ若いからと自分の健康を過信しないことが大事です。 ◇ 実は、取材中も40代男性が大動脈解離と診断され、搬送されるという連絡が入ったことで、「やはり高齢者だけの病気ではないんだ」と実感した次第。 大動脈解離から大動脈瘤に進行させないためにも健康診断の結果を真摯に受け止め、治療に向き合うことが重要だ。 メディア・ビュー 酒井範子=取材・文
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