工藤夕貴「俳優ではなく歌手になりたかった」有名人の娘であることを隠して12歳でデビュー 味わった挫折と葛藤の日々
今や日本を代表する国際派女優としてその名を知られる工藤夕貴さん。12歳の頃、スカウトされたのをきっかけに、当時、歌手である父、故・井沢八郎さんの娘であることを秘密にしてデビュー。さまざまな葛藤があった当時のことをお聞きしました。 【画像】「初々しい」小学生時代の工藤夕貴さんや子役として活躍したデビュー当時の貴重な写真も(全20枚)
■芸能界入りに親は猛反対! ── 工藤さんが芸能界に入ったのは、中学1年生の頃にスカウトされたことがきっかけだったそうですね? 工藤:当時、八王子に住んでいたんですけど、中学1年生の春休みに「東京に買い物に行きたいね!」と友人と渋谷に出かけたんです。その日はたしか友人とお揃いの格好で、Tシャツとジーパンにサスペンダーをつけておしゃれして。
2人でお揃いの格好をしているからスカウトマンに「『君たち、ピンクレディみたいになりたくない?』なんてスカウトされたりしてね!」なんて話してたら、ほどなくして「ねえ、君」って本当に声かけられたんです。 あまりにも筋書き通りにスカウトされたので「この人、絶対インチキスカウトマンに違いない!」と思って(笑)。父は歌手の井沢八郎でしたし「親が芸能人とわかったらインチキスカウトマンもびっくりするだろうな」と思って、家の電話番号を教えて帰ったんです。
八王子に帰宅して家族や友人に話したらみんなインチキだろうというので私もそう思っていたんですけど、そしたら電話がかかってきて本当の芸能事務所だったんですよ。 夏休みに入る頃、芸能界入りするかで悩みました。実は、両親は芸能界入りに反対だったため、母は事務所に断りの電話を入れる準備までしていました。でも、私はこれまで褒められることが少ない環境で育って、コンプレックスも強く、自分には何もいいところがないと思っていたときだったので、事務所の人に褒められたり、期待されたのがすごくうれしかったんです。
いろいろと家庭の事情もあって「自立したいな」と思っていたこともあり「迷惑かけないから、芸能の仕事させて」と半ば土下座の状態でお願いしました。結局、両親とも私が強く希望したので「やってみる?」と折れてくれて、仕事を始めたんです。 ── 芸能事務所に入ることになりデビューするわけですが、お父様が芸能人であることは伏せて活動をスタートさせたそうですね? 工藤さん:当時の事務所の社長が「芸能人の娘という触れ込みがなくても、彼女ならいけるのでは?」と言ってくれて、鳴り物入りのデビューというよりはそのままのほうがいいという話をしてくれたんですね。