形だけの大統領代行で「言うことを聞け」…最大野党が進める〝韓国型〟民主主義 「李在明独裁体制」の算段
【室谷克実 深層韓国】 韓国は政治激動の年末から、「赤くて暗い新年」に入ろうとしている。国会で多数を占める最大野党「共に民主党」の戦術は明確だ。閣僚、幹部公務員を次々と弾劾し、政府の意思決定機能をマヒさせたうえで、「政府は国会の言うとおりに政策を進めろ」と命じることだ。 【表でみる】過去に弾劾訴追された韓国大統領と主な理由 「国会の言うとおり」とは、「民主党の言うとおり」と同義だ。民主党は李在明(イ・ジェミョン)代表の〝私党〟だから、これは大統領選挙で勝利する前に、「李在明独裁体制」を築き上げてしまおうという算段といえる。 こうした状況を、国民の多数が「韓国の成熟した民主主義の姿だ」などと浮かれている。彼らは、よほど痛い目に遭わないと覚醒しないだろう。 民主党は、韓悳洙(ハン・ドクス)大統領権限代行(首相兼務)の弾劾手続きを進めている。大統領代行の弾劾には在席議員の3分の2の賛成が必要だ。与党はギリギリ3分の1以上の議席を持つので成立しない。 そこで民主党は「弾劾理由は大統領代行になる前の戒厳手続きに関すること、つまり首相に対する弾劾だから、過半数の賛成でいい」とするハチャメチャな論法を押し立てた。 弾劾案可決後の憲法裁判所では、国会の弾劾可決そのものが否定されるだろうが、判決が出るまでの数カ月間、韓悳洙氏は職務停止になる。その間は崔相穆(チェ・サンモク)副首相(企画財政相)が大統領権限代行を務めるが、彼も弾劾したら…。 閣僚の法定序列ごとに就任するが、やがては限られた分野の知識しかない一般閣僚(議員ではない)が「形だけの代行」に就くだろう。 政治家はともかく、公務員は弾劾されると給与がなくなり、裁判費用がかかる。「それが嫌なら、李在明様の言うことを聞け」―知能暴力団の手口そのものだ。 暗い世をロウソクの赤い灯が照らす 李在明氏は大統領気取りで、最近は米国に向け盛んに秋波を送っている。しかし、彼の本音が「親中・親北」であり、社会主義経済体制を目指していることは明らかだ。 米国のドナルド・トランプ次期大統領は1期目、当時の文在寅(ムン・ジェイン)大統領を露骨にバカにした。2期目のトランプ政権は、とりわけ経済面で「赤くなる韓国」を強力に締め付けるだろう。