特派記者として現地に行った“辻にぃ”がオーガスタの練習場で再確認。アプローチの上達は “ランダム練” がいい!
今年のマスターズをゴルフダイジェスト特派記者として訪れたプロコーチの辻村明志。自身初の〝生マスターズ〞に感動の連続だったという。2024年5月21日号の「週刊ゴルフダイジェスト」では、辻村コーチ最も感銘を受けたという“毎回異なる目標を狙うアプローチ練習”について詳しく掘り下げている。そこで、「みんゴル」でもその一端を紹介しよう。 現場で見た辻村が感じたスコッティ・シェフラーのスウィングの凄さ【勝者のスウィング番外編/特派記者・辻村明志のオーガスタレポート⑫】
マスターズ特派記者 辻村明志プロコーチ
上田桃子や吉田優利、渋野日向子など最強女子プロ軍団を率いつつ、有望なジュニア選手も指導。オーガスタ女子アマの決勝ラウンドに進出した六車日那乃も門下生の1人。2023年レッスン・オブ・ザ・イヤー受賞
同じ状況を続けない“ランダム練”は“対応力”が高まる
「遊ぶように」いろいろな球を打つ 初めてのマスターズ観戦となった辻村は、意外にも「プロコーチとしての血が騒いだのは練習場だった」そう。 GD なかでもアプローチ場で深~くうなずきながら見ていましたが、その理由は? 辻村 多くの選手が同じ場所からさまざまな目標を狙ったり、1球ごとに打つ位置やライを変えていましたよね。オーガスタはグリーン周りの起伏が激しく、技術の多彩さが求められます。だからこそ、あらゆる状況を想定して1球1球違う球を打つ練習に時間をかけていたのでしょう。 GD 対応力とイメージ力が培われるということですか。 辻村 はい。多くの選手が1球ごとにフェース面を綺麗にしていました。これは毎回スピン量まで見ている証拠で、それだけ実戦に即した練習をしているということ。対するアマチュアは、同じ場所を何度も狙う反復練習に終始するケースが多いと思います。もちろんこれはこれで再現性を高めるため必要ではありますが、対応力を高める練習にも時間を割くべき。よく『アプローチは遊びながら上達する』と言いますが、遊ぶようにいろんな球を打つことで実戦力を磨いてほしいですね。
毎回別のピン狙い。これだけで対応力は高まる
ポイント① “惰性”はダメ!「毎回スクエアに構えてください」 アドレスをそのままにして右を狙ったり左を狙ったりする人を見るが、これはNG。「対応力が培われないどころか、動きがバラバラになることでヘッド軌道も不安定になり、再現性も落ちかねません」