「にじさんじ」のANYCOLOR、前四半期の減益から一転急回復。物販が過去最高売上を達成、配当も32.5円実施
国内大手VTuberプロダクション「にじさんじ」などを運営するANYCOLOR株式会社は11日、2025年4月期の半期決算を発表し、連結売上高が前年同期比12.0%増の173億4100万円、営業利益と経常利益もそれぞれ4.3%の増加の67億円規模となるなど堅調な成長を見せた。 【画像】今年発表されていた配当開始に関するお知らせ(ANYCOLOR社より) 同社は今年の5~7月期の決算において、売上高、営業利益、純利益が30%台での前年同期比減を記録していた。これは期初に計画をしていた3つのイベントのうち、1件を延期、1件を中止したことや、発売を予定していたグッズの発送遅延などが影響していた。8~10月期には未実施だった2イベントを実施、未発送分も概ね対応したことで回復した。 事業別の数値によれば、特にコマース部門は過去最高の売上高を記録するなど、力強い伸びを見せた。四半期単体での全体収益99億円のうち、コマース部門だけで66.5億円を締めている状況で、配信収益などが含まれるライブストリーミング分野やタイアップなどのプロモーション分野と比べ存在感も依然強くなっている。
比較的新参も収益貢献、ファン層拡大とアピール
同日公開された四半期報告書によると、国内プロダクション「にじさんじ」および海外プロダクション「NIJISANJI EN」事業について、所属するVTuber数は166人となり、前年同期から8名増えた。また、同社のサービス利用に必要なANYCOLOR IDは前年同期比30.9%増の144万IDに達した。 参考資料として提示されていたデビュー年代別の収益貢献度では、2019年度以前から活動するライバーが全体の31%を占め最大となった一方、次点には2023年という比較的最近デビューしたライバーが29%を占めており、新たなファン層形成にも成功しているとアピールしている。 なお、当社は前四半期に発表されていた通り、株主還元の一環として配当の実施を決定している。流動性維持や安定的な利益創出を踏まえ、2025年1月15日を効力発生日として、一株当たり32.50円を中間配当金とする。
編集部 アニメ情報担当