【ハイライト動画あり】見えてきたチームの輪郭。市立船橋高校・中村健太コーチが味わっている『指揮を執る』ということ 高円宮杯プレミアリーグEAST 流通経済大柏高校×市立船橋高校マッチレビュー
迎えたインターハイ予選は苦戦の連続だった。準々決勝は残り3分まで1点をリードされながら、そこからの大逆転で辛勝。準決勝は延長戦までもつれ込む接戦をモノにして、何とか決勝まで勝ち上がる。全国切符を懸けて争う最後の相手は、永遠のライバル・流通経済大柏高校。市立船橋とは対照的に、ここまでのプレミアで1つも負けていない超難敵だ。
久保原心優のゴールで先制したものの、セットプレーから追い付かれる。だが、選手たちは諦めない。終盤に伊丹俊元が泥臭く押し込んだゴールは、そのまま決勝点に。プレミア未勝利のチームが、プレミア無敗のチームを破って、千葉制覇を達成してしまう。
「プレミアでは勝たせてあげられていないですけど、インターハイで全国を決められたことで、中村さんもちょっとホッとしていると思います」(伊丹)「プレミアで勝てないのは中村さんの責任じゃなくて、選手の責任だと思っていますし、インハイで絶対に中村さんを勝たせようと思っていました」(岡部タリクカナイ颯斗)「ずっと中村さんは『勝てないのは自分のせいだ』と言ってくれていて、その中でインターハイで中村さんにやっと勝利を贈ることができたのは嬉しかったです」(井上千陽)。選手たちも中村コーチの苦悩はよくわかっていただけに、ようやくプレゼントできた1つの“成果”がとにかく嬉しかった。
それでも、すぐに次の試合はやってくる。しかもリーグ再開初戦の相手は流通経済大柏。なんと“2週連続”で同じ相手と公式戦で対峙することになったのだ。「もちろんこの子たちも勝ったことでちょっとホッとしている部分もあったので、どう気持ちを持っていくかというのは、ちょっと大変な1週間でした。でも、現実として『プレミアリーグの状況は全然違うんだぞ』というところで、そこの気持ちのところの作り方というか、どうやってこの試合に臨むかという部分だけは気を付けましたね」(中村コーチ)。間違いなくリベンジに燃えている相手から、リーグ戦での初勝利をもぎ取る。チームは明確な意志を携えて、アウェイのグラウンドへと乗り込んだ。
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