【解説】避難所で感染症拡大のおそれも…「災害関連死」を防ぐには? 現地で医療支援の医師に聞く 能登半島地震発生から9日目
日テレNEWS NNN
2万6000人以上の方が避難生活を強いられている石川県。知事が「飽和状態」と懸念を示している避難所では、感染症の拡大も心配されています。 全日本病院協会の災害医療支援チームとして、7日まで能登町の避難所で活動した日本医科大学付属病院の増野智彦医師に、避難所の状況と課題について聞きました。
■終わり見えぬ避難生活 被災者の医療支援は
藤井貴彦キャスター 「増野医師が医療支援を行った能登町は、世帯数・約7200のうち多数が全壊・半壊となり、いまだ被害の全容は見えていません。現在、約2900人の方が避難しているということです。 増野医師は、能登町の避難所で実際に医療支援をされていました。避難をしている方の健康状態については、どんな印象を受けましたか」 増野医師 「私が入ったところでは、“地震によるケガなど”のみならず、寒い避難所などで集団生活をしている、普段と違った環境のなかで生活していることによって生じる“風邪や発熱など内科的疾患”、さらには、長期になってきている避難生活に伴って、“疲れや精神的な不安”…そのようなものがみられていました」
■必要な医療が変化…地震発生直後はケガ、その後は感染症や内科的疾患の対応へ
藤井キャスター 「地震発生の4日目から7日までの4日間、避難所で支援されたということですが、どのような医療支援が必要とされていたのでしょうか」 増野医師 「医療というものに対する直接的な支援もそうですが、地域は人手がものすごく不足しています。我々は医療のみならず、それ以外のことも含め、できることを探してお手伝いをさせていただいたと。マンパワーの少しでもお手伝いになればという形で、現地で活動させていただきました」 藤井キャスター 「地震発生直後はケガをした方の治療が中心だったと思いますが、発生から1週間がたって、避難所で必要な医療というのは変わってくるものなのでしょうか」 増野医師 「そうですね、そのフェイズ、フェイズによって、必要な内容が変わってきます。最初はケガの対応…地震そのもの等によるケガの対応ということになりますが、その後は、集団生活によって起こる感染症や内科的疾患の対応、その後はさらには、家を直すための作業等に伴ってくるケガとか、そういうものへの対応などが出てきます」