「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2025」が2025年4月12日開幕。石川真生、JR、マーティン・パーら13名のアーティストが参加
京都各所を舞台にする「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」
2013年から京都市内各所を舞台に開催されている写真の国際芸術「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」。その第13回となる迎える「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2025」が2025年4月12日~5月11日に開催される。テーマは「HUMANITY(人間性)」に決定した。 メインプログラムでは、世界10ヶ国から13組のアーティストが参加する。 参加作家は、プシュパマラ・N、JR、グラシエラ・イトゥルビデ、エリック・ポワトヴァン、マーティン・パー、石川真生、アダム・ルハナ、𠮷田多麻希、リー・シュルマン&オマー・ヴィクター・ディオプ、甲斐啓二郎、イーモン・ドイル、レティシア・キイ、劉星佑(リュウ・セイユウ)。 京都文化博物館 別館で展示を行うプシュパマラ・Nは1956年生まれ。インドのバンガロールを拠点に様々な分野で活動するアーティスト。彫刻家として活動を開始し、1990年代半ばから、さまざまな役柄に扮して示唆に富んだ物語を作り上げるフォト・パフォーマンスやステージド・フォトの創作を始める。その作品は、女性像の構築や国民国家の枠組みといったテーマに取り組んでいる。プシュパマラは「現代インド美術界で最もエンターテインメント性の高いアーティスト、異端者」と評され、自らを被写体としてフレームに組み込み、社会問題の中心に位置づけている。KYOTOGRAPHIE 2025では、近年テート・モダンで展示された「The Arrival of Vasco da Gama」を含む、3つの主要な作品シリーズを展示。ヨーロッパ諸国によるアジア諸国での植民地化に言及するものだ。また、母なるインドの歴史的表象について探求した継続的なプロジェクト「Mother India Project」も展示される。 フランス出身で、世界各地でのサイトスペシフィックなパブリック・アート・プロジェクトで知られるJRは、京都駅ビル北側通路壁面と京都新聞ビル地下1階(印刷工場跡)で展示。2024年秋、JRと彼のチームは京都各所で移動式のスタジオを構え、道ゆく人に声をかけポートレイトを撮影した。それらはコラージュされ、京都における人々の関係性や多様性を垣間見ることのできる、リアリティあふれる写真壁画作品《JR 京都クロニクル 2024》に結実し、本展で発表される。 1952年イギリス生まれのマーティン・パーは、1994年よりマグナム・フォトに所属し、写真家、映像作家、コレクターとして国際的に活躍。ヴィヴィッドな色と難解な構図で知られ、日本、アメリカ、ヨーロッパ、そして母国イギリスなど世界各地の文化の特性を研究し、1985年以降は中国にも足繁く通う。KYOTOGRAPHIE 2025ではマスツーリズムをテーマに、長年世界中で撮影してきたユーモアたっぷりの作品に加え、開催直前に京都で撮影された新作を同時に発表する。 誉田屋源兵衛 竹院の間で行う石川真生は1953年沖縄県大宜味村生まれ。1970年代から写真を始め、沖縄をめぐる人物を中心に、人々に密着した作品を制作。本展では、1970年代後半に当時米軍兵の中でも差別されていた黒人兵だけが集まるバーで働きながら男女の恋愛模様や当時の沖縄をシャッターに収めた最初期の作品「赤花」と、自身が愛してやまない人々を沖縄の離島で撮影している現在進行中の最新作を合わせて発表する。
サテライト・イベント「KG+」なども開催
KYOTOGRAPHIE 2025では、サテライトイベントとして、これから活躍が期待される写真家やキュレーターの発掘と支援を目的に、公募型アートフェスティバル「KG+2025」を開催。京都市内各所で開催される多様な展覧会「KG+」、並びに2つのアワード部門「KG+SELECT Award」と「KG+ DISCOVERY Award」への参加者を2024年12月31日まで募集する。 ほかにもトークイベント、シンポジウム、ワークショップ、キッズプログラムなど様々な企画を実施予定。また姉妹イベントとして国際的なミュージックフェスティバル「KYOTOPHONIE」もあわせて開催される。
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