月内で閉店、新業態に 落合シェフ監修の店 香林坊東急スクエア「ラ・ベットラ」
●エムアンドケイ スタッフ引き継ぎ、11月開業 金沢市の香林坊東急スクエア内にある落合務シェフ監修のイタリアンレストランが、今月29日に閉店することが分かった。有名シェフの落合氏が手掛ける地方唯一の店舗として、地場食材を使ったメニューなどが人気だったが、運営するエムアンドケイ(金沢市)はシェフとの契約の満了に伴い、いったん閉鎖する。同社はスタッフを引き継ぎ、11月中に同じ場所で新たな料理店を開業する予定で、訪日外国人客や若者世代にも照準を合わせた店舗とし、まちなかのにぎわいづくりにつなげる。 「ラ・ベットラ・ダ・オチアイ カナザワ」は、東急スクエアG階のせせらぎ通り沿いに2018年8月に開業。「金沢まいもん寿司」を展開するエムアンドケイにとっては初のイタリア料理店で、通常営業に加え、料理教室や舞踊会など多彩なイベントも開催してきた。 開店当初は予約が殺到するほどだったが、世界的に流行した新型コロナウイルスの影響が直撃し、客足は減少。コロナ禍が明けて売り上げは約8割回復したものの、落合氏との6年間の契約が終了したことを機に、装いを新たに再オープンすることにした。 ●「イズム」は継承 11月中の開業を目指す新店舗は、引き続き洋食を想定しており、落合氏のもとで料理や接客を学んだスタッフはそのまま雇用。店名は変更するものの、おもてなしの心を大切にする「落合イズム」を継承していく。 エムアンドケイによると、「ラ・ベットラ」ではコース料理が1人1万~1万5千円と近隣の飲食店に比べ客単価が高かったが、北陸新幹線の延伸開業効果で、街中を観光する外国人や若者が増加していることから、従来より気軽に立ち寄ることができる形態に変える方針。レストランを維持しながら、夜は軽食や酒を楽しめるバルのような運営も検討しているという。 木下孝治社長は、これまでの利用客に感謝した上で、「さらなる挑戦と進化を目指し、新たなステージを切る」と意気込みを示し、金沢市中心部の活性化にも尽力するとした。