小池都知事定例会見11月11日(全文1)金融の部分を確実にしていきたい
東京都知事に就任して今月9日に100日を迎えた小池都知事が11日、定例会見を行った。 【中継録画】就任から100日を迎えた小池都知事の定例会見 4日に行われた前回の定例会見では「10年分のエネルギー使った」と述べて、これからは「答えを出していく段階になる」との認識を示している。 特に五輪会場については今月末の4者協議で一定の方向を示すことを明言している。また、豊洲市場の開場延期による市場関係者の保障については「早急に取り組んでいきたい」としている。
国際金融都市東京の実現に向けた検討体制について
時事通信:それでは知事のほうから、よろしくお願いします。 小池:はい。皆さま、こんにちは。それでは定例の知事記者会見を行います。今日は東京都のほうから、まず3つ。3点にわたってご報告をさせていただきます。まず国際金融都市東京の実現に向けました検討体制をつくることといたしました。これは東京がアジアナンバーワンの国際金融、うん? 大丈夫? はい。国際金融都市の地位を取り戻すということで、スマートシティの柱の1つに置いた、環境と金融ということで2つ置いておりますけれども、主な部分として。そのうちの1つでございます。金融産業の振興というのはロンドン、ニューヨークを見ましても、都市の魅力、そしてまた競争力を維持する上でも大変重要な機能でございます。 また安倍政権の成長戦略の中ではGDP、600兆円を2020年ごろに達成するという項目がございますが、それを引っ張っていくのは東京、首都東京ではないかと、このように思います。ちなみに日本の金融業の対GDP比でありますけれども、わずか5%程度にとどまっております。これをブレグジットとか、いろいろありますけれども、ロンドンの場合、英国並みに倍増することができましたら、英国はだいたいGDPの12%が金融業による収入ということ、GDPでありますけれども。つまり今の5%を倍の10%にした場合には、これは計算上、GDPの約30兆円押し上げという効果が生まれてくるというものでございます。物を売ったりするのと違って目に見えないものでありますけれども、これは首都東京といたしまして、また日本の経済のエンジンとしての役割とすれば、この部分はとても大きい。 ただし、これまで国際金融都市東京ということは、いろいろとうたわれるものの、なかなか進んでいないのが実態でございました。そこで特区などを活用して、これからインターナショナルスクールをつくるであるとか、コンシェルジュ制度を作るとか、いろいろ、その周辺の部分は整備しておりますけれども、ハードの部分だけでなくて、肝心な部分はソフトの部分になろうかと思います。 東京市場には見えない参入障壁、例えば一番分かりやすいのは日本語でございますけれども、これが立ちはだかっているということ。それ以上に世界標準とは懸け離れた、言ってみればガラパゴス化したような業界の慣行であったり、規制、そして税制があるということが結局、世界の金融機関をより仕事のしやすいシンガポールであるとか、香港、上海等に追いやってしまったということだと思います。 そこで都民ファーストの判断で既成事実とか既得権益にとらわれずに国際金融投資をしっかりとつくっていくというために、いくつかの課題を整理して、そして議論をし、さらには実行していくという装置をつくりたいと思っております。利益相反の防止であるとかコーポレートガバナンスの改善などによって、そして投資家本位の市場を実現したいと思っております。 ただ、これらのことは国の法制度とも密接に関係することは言うまでもありません。そういう意味で政府ともしっかり話し合っていきたいと、このように思います。そして2020年に向けました成長戦略の中核として、今回はラストチャンスというような、それぐらいのスピード感、危機感を持って、構造的、本質的な課題にまで踏み込んでまいりたいと考えております。 そこで2つの会議体をつくりたいと考えております。まず1つが国際金融都市・東京のあり方懇談会でございます。こちらでは金融の活性化。海外の金融系企業の日本進出に当たりまして障害となる課題を洗い出すということで、その解決へ向けた税制、インセンティブ、市場活性化などの抜本的な対策について、私も入りまして金融の専門家、そして企業経営者の皆さんらの間で忌憚のない議論を行ってまいります。と同時に、これは海外の関係者の目というのも必要でございますので、日本人だけでなく海外の方からもご意見を伺い、さらにこれは公開で実施をしてまいります。そして開くのが11月25日に第1回の会議を開催いたしまして、これは定期的に行い、約1年ほどで答えを出して、構想を取りまとめていく方針であります。