北陸新幹線延伸で特急「しらさぎ」利用が大幅減 中京圏とのつながり低下か 新幹線・金沢-福井間は特急時代の4割増
北陸新幹線が福井県内に延伸後、初めて迎えた年末年始。金沢-福井間の利用者数は開業前のJR特急よりも約4割増えた。一方で、中京と北陸を結ぶ特急列車の利用者が大幅に減少し、中京圏とのつながりの低下が危惧される状況となっている。 【画像】しらさぎとサンダーバードで利用者数に変化が JR西日本金沢支社によると、12月27日から1月5日までの10日間の、北陸新幹線・金沢-福井間の利用者数は上下線合わせて29万4000人で、前年の同期間のJR特急の利用者数と比べて40%増加した。 増加の要因についてJR西日本は、最大9連休となったことに加え、これまで東京との往復に米原経由で東海道新幹線を使っていた人が、北陸新幹線を利用するようになったためと見ている。 2024年は元日に能登半島地震があったため、コロナ禍前の2018年度と比較すると、北陸新幹線開業の影響で福井―金沢間は1割以上増えた。JR西日本は、首都圏からの帰省客や観光客が乗り換える手間を嫌ってか、東海道回りから北陸新幹線に移ったのではないかと分析している。 実際に、在来線の特急「しらさぎ」は前年より利用者が34%減少した。米原に停車する東海道新幹線「ひかり」の利用者数は減っていないにもかかわらず、しらさぎの利用者数は米原-敦賀間で大きく減少したのだ。そして、名古屋・大垣間でも利用者数がかなり減っている。 自動車での移動に置き換わったのか、そもそも往来の機会が減ったのか理由は分からないが、敦賀以北の特急廃止で指摘されていた中京圏とのつながりの低下が危惧される数字となっている。 一方で、大阪・敦賀間で運行しているサンダーバードは2018年度比で7%の減少と、しらさぎと比べると減少幅は少ない。 どちらも特急区間の短縮で乗り換えの不便さが懸念されていたが、利用者数の結果には差が出た。
福井テレビ