一筋縄では…地方の医師不足解消へ県が肝いりで作ったドクターバンク、16年間で就業は8人
鹿児島県は10日、県内の医療機関で働きたい県外在住の医師を支援する「ドクターバンクかごしま」を使って就業した医師は、県が事業を開始した2008年度から23年度までの16年で8人だったと明らかにした。県議会一般質問で答えた。 看板に診療科目あるのに「休診」、最長18年も…地域医療中核担う県立病院の医師不足深刻 人材派遣へ頼みの綱の大学も、研修医は環境整う都市部へ流出
医師の就業を紹介、あっせんする無料職業紹介事業で、県の医師確保対策事業の一つ。求職情報の登録者は累計で43件、県内の求人数は24年4月1日時点で47件に上る。 同じく08年度に始めた妊娠や出産、育児で休職していた女性医師を対象にした復職支援研修は5人が受講した。離島・へき地勤務を希望するバンク登録者に実地視察の旅費を支援する制度は、開始した10年度以降で5人が利用。うち2人が県内の離島やへき地に就業した。 房村正博保健福祉部長は「医師の総数を確保することが課題で、ドクターバンクには一定の評価をしている。引き続き事業に取り組んでいく」と話した。
南日本新聞 | 鹿児島
【関連記事】
- 看板に診療科目あるのに「休診」、最長18年も…地域医療中核担う県立病院の医師不足深刻 人材派遣へ頼みの綱の大学も、研修医は環境整う都市部へ流出
- 地域医療は崩壊の危機 23年度外来3万2000人、入院1万2000人…種子島南部の医療圏支える公立病院の常勤医が1人に 医師育てる研修制度地方に逆風、人材は設備や待遇整う都市部へ流出
- 冬の浴室ご用心‼ 昨季の県内入浴死9割が70代以上 温度差で血圧急変、心臓に負荷 知っておきたい専門家が勧める望ましいお風呂の入り方
- 離島へき地医療の危機を都内の大学が救う…昭和大が精神科医師2人を徳之島常駐へ 3島6町と慈愛会(鹿児島市)が寄付講座開設「日本医療のモデルに」
- 「生命だけは平等だ」…弟を3歳で失った怒りが、医療革命に走らせた 大阪に開業した病院は365日24時間無休…画期的な診療はドクターヘリ、DMATへつながった〈徳田虎雄さん死去〉