【証拠入手】蓮舫氏にまたブーメラン直撃…立憲同僚議員の政治資金「脱法行為」が見つかった!
1190万円ものカネを“付け替え”
つまり資金移動に関する問題は、野党主導で政治改革の道筋をつけたテーマと言えるのだ。そうであるにもかかわらず、立憲民主党東京都連関係者の顔は暗い。 「蓮舫議員の言う“脱法行為”は、立憲民主党議員の間でも行われています。立憲は自民党を厳しく非難していますが、同僚議員が同じことをしていてもお咎めなしでは、あまりに説得力に欠けている」 こうして蓮舫議員が放ったブーメランの直撃を受けたのは、伊藤俊輔衆院議員(比例東京)である。伊藤議員の関係団体「東京俊友会」から、その他団体「伊藤俊輔連合後援会」に対して、'20~'22年の3年間で、合計1190万円の政治資金が寄付の名目で付け替えられたという。 実際に各団体の政治資金収支報告書を確認すると、'20年に230万円、'21年に360万円、'22年に600万円の資金移動が行われていた。そして、茂木幹事長らと同様、資金移動によって、支出内容の公開率もはっきりと下がっていたのである。 '20年の場合、東京俊友会の支出内容のうち、84・5%の使途が明らかだった一方、連合後援会は49・2%にとどまっていた。'21年は、東京俊友会が97・4%で連合後援会が11%、'22年は、東京俊友会が95・7%で連合後援会が23・5%という実態だった。 特に、公開率が最も低い'21年の場合、連合後援会の支出総額が約600万円だったのに対して、収支報告書に明記されたのは手土産代の5万9780円と、「金銭以外のものによる寄付相当分」という名目で伊藤議員本人に支払われた60万円の寄付の2項目のみ。'20年と'22年も同様の傾向で、明記されている支出内容は印刷代や飲食代など、それぞれ数項目だけだった。
伊藤俊輔議員とは何者か
「伊藤議員は、自民党の衆院議員で、国土庁長官だった伊藤公介氏を父にもつ世襲議員です。桐蔭横浜大学を卒業後、中国・北京大学への留学を経て、中央大学に編入してそこでも学んでいる。維新から出馬した'12年と'14年の衆院選で落選を経験したあと、'17年に希望の党から出馬して初当選した。政党の離合集散に巻き込まれたこともあり、国民民主党を経て、'19年から立憲の会派に加わっています。 横浜中華街で一緒に食事をしたとき、中国人の店員と中国語で流暢に話していたので、少なくとも日常会話は問題ないレベルだと思う。また、'18年に支援者向けに送った手紙のなかでは、当時、中国共産党ナンバー2だった李克強首相('23年死去)と面会したエピソードを盛り込んでいました」(伊藤事務所関係者) 3人兄弟の三男で、周囲は当初、父親を秘書として支えた次男が跡を継ぐものとみていたという。ただ、次男が政治家をめざす意向がないことがわかると、それまで自ら起業した会社の社長を務めていた伊藤議員が政治の世界に飛び込んだ。 また、社長時代には、分譲マンションやビジネスホテルの構造計算書が偽装され、社会不安を広げた耐震偽装事件の“当事者”としても注目を集めている。 〈伊藤公介・元国土庁長官の家族が経営する会社が、ヒューザー(東京都千代田区、小嶋進社長)の分譲マンション1棟の管理業務を受注していることがわかった。(中略)管理業務を受注したのは、04年8月に設立されたフューチャービジネスネットワーク(中央区)。代表取締役は伊藤元長官の三男〉('06年1月16日付朝日新聞) 世襲ながら、酸いも甘いも噛みわけてきた伊藤議員。一方で、ここまで政治改革で世論の支持を集める、立憲の足を引っ張りかねないブーメランにどう答えるのか。 つづく記事『【直撃取材】「脱法的な政治資金移動では?」疑惑の立憲・伊藤俊輔議員が明かした「意図」』では、渦中の伊藤議員本人を直撃。“脱法行為”と呼ばれる「資金移動」の真相について詳しくお伝えします。 取材・文/宮下直之(「週刊現代」記者) naoyukimiyashita@pm.me
宮下 直之