今払っている「年金保険料」って、自分は老後“もらえない”こともあるんですよね? 毎月給料から「4万円」引かれているので、払わずに自分の貯金にしたいのですが…
給与明細で年金保険料を見て、あらためてその金額の多さに驚く人は多いのではないでしょうか。なかには「年金保険料が引かれなければ今もっとお金を使えるのに……」と感じている人もいるでしょう。 本記事では、年金保険料を納付する意味と将来のメリットについて解説します。年金保険料を納めることに疑問を抱いている人は、ぜひ参考にしてください。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
年金保険料の納付は国民の義務
年金の被保険者は、保険料の納付が義務付けられています。日本国民は20歳になると誰もが国民年金に加入します。加入期間は原則60歳までで、20歳から60歳の期間は保険料を納める義務が発生します。 保険料を滞納した場合は、督促が行われます。督促が来てもなお保険料を納めなかった場合、差押えなどの処分が課されます。年金保険料は税金と同様、必ず期日までに納めてください。
年金は「老後の備え」だけではない
「年金」と聞くと、支払えば老後にお金をもらえるというイメージを持つ人が多いかと思いますが、年金保険料は、老後の備えのためだけに支払うものではありません。公的年金には、次の3種類があります。 ・老齢年金 ・障害年金 ・遺族年金 多くの人がイメージする65歳以上になると受け取れる年金は「老齢年金」というものです。老齢年金は基礎年金と厚生年金に分かれ、65歳になった時点で受け取りを開始できます。その後は自分が亡くなるまで、一生涯受け取り可能です。 このほかに、医師の診断により障がいが所定の等級に該当する場合は「障害年金」が支給されます。障害年金も基礎年金と厚生年金に分かれます。障害基礎年金の場合、2024年度の受給額は1級の場合が「102万円+子の加算額」、2級が「81万6000円+子の加算額」です。 また、自分が年金を受け取る前に亡くなった際は、遺族に遺族年金が支給されます。亡くなった人が国民年金の加入者であれば、18歳未満の子どもや子どものいる配偶者に遺族基礎年金として2024年度は「81万6000円+子の加算額」が支給されます。 また、亡くなった人が厚生年金の加入者であれば、遺族に遺族厚生年金が支払われます。支給額は「亡くなった人の老齢厚生年金(報酬比例部分※)の4分の3」です。 ※報酬比例部分:厚生年金の受給額の目安となる金額。給与・賞与額や厚生年金への加入期間によって決まる。 よって、年金保険料を納めることは「もしもに備える」ことにつながるのです。自分が障害を抱えた際や突然の事故で亡くなった際も、年金保険料を支払っていればある程度の収入を確保できたり、家族に残したりできます。年金はライフプランの実現に必要であると同時に、ライフプランが崩れたときの支援もしてくれる有用な制度といえるでしょう。