暗号資産の転換期:焦点はオフショア市場から規制されたオンショア市場に
オフショアからオンショアへ
明確にしておきたいことは、規制の甘い資金やオフショア資金を犯罪行為と混同してはならないということだ。この2つを混同したがる人もいるだろうが、これらは同じではない。 しかし、規制の範囲が拡大するにつれて、取引と取引高の純増のほとんどは、年金基金、銀行、プライベートエクイティといった規制対象の同業他社と取引を行うオンショア企業からもたらされる可能性が高いと予想される。 だからといって、オフショア事業がなくなるわけでも、失敗するわけでもないが、オンショアで規制を受ける企業が、次の成長の波の大きな受益者になる可能性が高い。そして、この分野の企業にとって、現地の規制当局とともに現地の市場に関与することがかつてないほど重要になっている。 この課題は、例えばセーシェル、バハマ、バージン諸島などのオフショア市場に拠点を置いている世界最大級の暗号資産取引所のほとんどが直面している。現在、オフショア企業が大手暗号資産取引所のリストを独占している。私の推測では、こうした状況は長続きしない。 規制が成熟するにつれ、取引所の中心はオフショアからオンショアに移行していくだろう。現在、オフショアとオンショアのエコシステムはほとんど重なっていない。つまり、オフショアでサービスを提供する企業で、オンショアの規制ルールをうまく乗り切り、オンショア市場に進出している企業はほとんど存在しない。 つまり、これからの転換期は、大手取引所がどこに存在するかのみならず、業界大手がどこに重点を置くかが重要になる。現在、業界トップに君臨している企業にとって、課題は明確。オンショアの規制された市場に参入しなければ、将来、自社の存在価値が縮小する様子を見ることになる。 |翻訳・編集:山口晶子、増田隆幸|画像:Shutterstock|原文:Crypto’s Transition: Bringing Capital Onshore
CoinDesk Japan 編集部