上司の評価を下げずに「NO」を伝える賢い言い方(滝川徹 時短コンサルタント)
■️代替案を提示し、上司とwin-winの解決策を探ろう
たとえばAという仕事を上司から頼まれ、断ったとする。が、上司は引いてくれなかった。私はここで、なぜそもそも私に依頼をしてきたのかを尋ねる。そしてその理由に基づき、別の適任者を考え、その人にお願いしてはどうかと提案する。 もし該当者がいない場合はどうするか。その場合は自分が抱えている仕事Cをほかの人にお願いできないかを尋ねてみる。それならAの仕事を引き受ける余裕ができるからだ。こうして仕事の割り振りで「自分OK、相手もOK」と思えるラインでの合意(win-win)を目指そう。問題解決のために「第三の選択肢」を上司と一緒に模索するのだ。 代替案を提示するのもありだ。たとえば「私は仕事Aが正直あまり得意ではないので、代わりに仕事D(自分が好きな仕事を言ってしまおう)であれば、なんとか現状でもコミットできると思います」と提案するのだ。 どうせあらたに仕事を引き受けなければならないなら苦手または嫌いな仕事を引き受けるより、得意または好きな仕事を引き受けたほうがまだいい。そのほうが自分も手をつけやすいし、より会社に貢献できるはず。少なくとも私はそう考えている。 これらの提案に上司が一発でOKと言ってくれるときもあれば、そうでないときも当然ある。NOの場合はもちろんその理由を聞き、上司が求める条件をしっかり踏まえたうえで別の代替案を提示できそうならする。そうしてお互いが合意できそうな条件を探し当てるように話し合いを続ける。
■最悪の場合は「NO DEAL」とする
それでもどうしても、上司と条件が折り合わないときはどうするか?私は「NO DEAL(合意しない)」という選択肢を取る。このときグダグダと理由を説明する必要はない。「申しわけないのですが、これ以上はできかねます」と言う。気まずい雰囲気が流れるかもしれない。それでもそのまま黙っていよう。相手が口を開くまで、待つ! ここまできてNO DEALとなれば相手もあきらめてくれる可能性が高い。あるいは先程までの話で提示した第三の選択肢で手を打とうと言ってくるはずだ。上司には部下に強制的に仕事を課す権利はある。しかしそれはあくまで最終手段だ。大抵の上司は部下に仕事を無理やりやらせたいとは思っていない。 もし「これは命令だ」と言われたら、よっぽどの場合と考えよう。そのときはその仕事を引き受けるしかないだろう。しかし私なら「それなら仕方ありませんが、先程も言ったようにコミットできないと思うので、ベストは尽くしますが何かあったら必ずフォローはお願いします」と強く相手に釘を刺しておく。何か問題が起きたときに「コミットできないと言ったのに、それでも仕事を任せたあなたの責任ですよ」と言えるようにはしておかなければいけない。