「このままじゃ、元本割れ⁉ 気が休まらない~」投資してお金を増やしながら、心穏やかに過ごすための選択
リーマン・ショックを乗り越えた「浪花おふくろファンド」は、スタートから15年経った今も元気に運用が続いています。まだまだ小さなファンドですが、顧客との緊密なコミュニケーションを大切にする姿勢は常に変わらない、と創設者の中井朱美さんは言います。 【表】シニア世代の就業率は? 老後、1カ月の生活費の平均は? 小さな運用会社の投資信託で積み立てを続けて財産づくりをするというのは、大手金融機関での投資と比べて、どう違うのか。また、これから自分年金をつくっていく世代のOTONA SALONE読者のために、今後、ぜひとも必要な投資についての心構えを中井朱美さんに聞きました。 【理想の投資信託を自分たちで作り上げた女性たちの物語③】
小さいからこそメリットがある
2009年3月に6158円という安値になった「浪花おふくろファンド」ですが、少しずつ価格を上げて、約15年後の現在は、3万円前後を維持しています。スタート当初は4本のファンドを組み入れたファンド・オブ・ファンズでしたが、最近は日本、アメリカ、ヨーロッパ、アジア、新興国など幅広いラインナップの投資信託が20本組み込まれ、分散効果を狙っています。 ただ、中井さんと石津さんが立ち上げた浪花おふくろ投信株式会社は、2010年にパリミキアセットマネジメントと合併し、中井さんたちは社長の座を降りました。残念ながら、自分たちだけで運用を続けるには資本力が不足していたのです。 大阪が本社の投信会社はなくなってしまいましたが、幸い、パリミキアセットマネジメントと「浪花おふくろファンド」の長期投資についての考え方は共通しているので、今も中井さんはパリミキアセットでセミナーを行うなどの活動を続けています。 今、日本で購入できる投資信託は約6000本弱。新NISAで購入可能な投資信託も相当数あるので、これから投資をしようという人は何を買っていいのか迷うことが多いでしょう。また現在、すでに投資を始めている人でも、このまま買い続けていいのか悩むことがあると思います。そんなときに小さな投資運用会社であるというのが、実は有利な点だと中井さんは言います。 大手証券会社の場合、運用する金額も大きければ、顧客数も非常に多いので、ファンドマネジャーと直接会って、話をする機会はほとんどありえません。 パリミキアセットマネジメントは「浪花おふくろファンド」と「コドモファンド」の2本を運用している独立系の投資運用会社で、約130億円ほどを運用しています。こじんまりした会社なので、対面セミナー、運用報告会などでファンドマネジャーや社長と話す機会は多いですし、キャンプや旅行ツアーなどを実施しているので、ファンド仲間と一緒に楽しむ機会がたくさんあります。 「今はよいファンドがたくさんあるから、それぞれ自分の気に入ったファンドを購入すればよいと思います。ただ大手の投信会社だと、運用報告会やセミナーで他の投資家に会ったとしても、友達になることは難しい。 でもパリミキならセミナーも少人数なので、いろんな相談もできるし、なごやかに投資の話もできます。しかもこういう場は、年齢も職業もまったく異なる人たちが集まるという面白さがあります。会社仲間ではない人たちと知り合いになれるし、『このところ投信の価格が下がっているけど、大丈夫か』という相談もできるんです。先輩投資家から率直な体験談を聞かせてもらえることもあるでしょう。こういうおまけが付いている投資信託は、めったにないと思いますよ」(中井さん)