単結晶など先端光学材料のオキサイド、成長戦略の全貌
半導体ウェハ検査装置に搭載される結晶(左)やレーザー製品(写真提供:オキサイド)
単結晶・光部品・レーザー光源・光計測装置などを開発するメーカーのオキサイド(6521)。情報通信、計測、医療・バイオなどにおける光技術の進化に欠かせないのが光学単結晶で、その中でも波長変換などの光機能特性を持つのが酸化物単結晶だ。この酸化物を意味するのが“オキサイド”である。原子、分子が規則正しく配列している固体を結晶と総称し、原子、分子配列がまったく同一である物質を単結晶と呼ぶ。単結晶は光を当てて光の波長を変換し、電気信号を加えて光の強度を調整するなどの特性が現れる。この特性を活用して単結晶応用品が実用化されている。当社は、これまで酸化物単結晶を中心に展開してきた。その中で光学単結晶では半導体レーザー、シンチレータ単結晶ではヘルスケアのPET検査装置搭載用があり、いずれも現在の主力製品となっている。さらにここへきて半導体単結晶としてSiC(炭化ケイ素)単結晶の開発を急いでいる。SiC単結晶で当社が取り組んでいる溶液法という製法は、これまでの酸化物単結晶の育成技術と親和性が高い。SiC単結晶が中期的に主力製品の一つに成長すれば、先端素材メーカーとしての注目度は一段と高まる 。物質・材料研究機構発のベンチャー企業として2000年に設立され、上場からおよそ1年半が経ち、業績は右肩上がり。古川保典社長ら経営陣に話を聞いた。
本文:6,060文字
購入後に全文お読みいただけます。
すでに購入済みの方はログインしてください。
中川 茂雄