【株主重視策も追い風に】年間配当金2000万円生活の億り人・かんち氏が伝授する「長く持ち続けたい」高配当銘柄の選び方 注目すべきは「4%の壁」
給料や年金以外の収入が欲しい。日々の生活のなかでそう思う人は少なくないはずだが、ハイリスクな投資で資産を失うわけにもいかない。そんな難題を乗り越え、安心の暮らしを手に入れた“億り人”の知恵とは。
給料だけで支出を賄えない局面や、年金が足りなくて貯蓄を取り崩す状況になると“資産が尽きてしまわないか”という不安に直面することになる。そうした懸念に対応でき得るのが「高配当銘柄」への投資だという。 49歳の時に資産2億円を築いて早期退職した元消防士のかんち氏は、高配当銘柄中心の投資を40年以上続けてきた。現在では、年間約2000万円の配当金を手にして生活費と再投資に回し、資産を減らさない暮らしを実現している。投資が大成功した稀なケースに聞こえるかもしれないが、かんち氏は「私の投資法はそれほど難しくない」と説く。 「株を頻繁に売買するのではなく貯めるスタイルで、貯金のような“貯株”です。時間をかけて資産を増やす高配当銘柄への投資は王道。大きな値上がりを狙う成長株よりも、毎年得られる配当金を重視する。それにより確実に資産形成ができます。老後を考えるなら『年金+月10万円程度』の支出で暮らす水準の人には最適な手法と考えます」(以下、「 」内はかんち氏) 新NISAブームで様々な金融商品が注目されるが高配当銘柄のメリットは増しているという。 「近年は、配当金が毎年増配もしくは最低でも横ばいの水準となる『累進配当』や、配当金の下限が決められている高配当銘柄が増えています。そうした株は会社の業績が上がれば配当が増え、悪くても下限があるから安心できる。購入後は“ほったらかし”でもさほど問題はないでしょう」
東証による株主重視策もあり、配当金を増やす「増配」が目立つことも追い風だという。 「市場でのトレンドは、増配により高配当銘柄の利回りがさらに上昇し、魅力が増した銘柄が買われて株価も上がるというサイクル。高配当銘柄の一番のメリットは、“下がりにくく、上がりやすい”ことです」 もちろん初心者がすぐに多額の配当を得られるわけではなく、かんち氏も40年以上の投資歴を経て、現在の資産総額8億円を築いた。ただ、最初は“少しずつ”だったことを強調する。 「生活を切り詰めずに投資することが大原則です。あくまで余裕資金を投資に回すべき。現役世代は給料やボーナスが出るたびに少しずつ高配当銘柄を買い足していけばいい。時間をかけて資産を増やしていくことが、最も重要なポイントの一つです。高配当銘柄中心の投資は長期的に見て効果が高く、手法自体は難しくないので初心者でも始めやすいと思います」