16式機動戦闘車 「機動」と「戦闘」を追求した次世代を担う陸上自衛隊の装甲車両【自衛隊新戦力図鑑】
次世代の装甲車両の中心的存在
16式機動戦闘車の開発元である三菱重工業は、同車をベースとした装輪装甲車「MAV」を開発した。陸上自衛隊は、MAVを「共通戦術装輪車」として導入することを決定し、令和6年度予算に計上されている。共通戦術装輪車は16式機動戦闘車と多くの部品を共有しており、整備や補給の負担の低減が見込まれている。現在、16式機動戦闘車は「即応機動連隊」などに配備されているが、共通戦術装輪車もこれら部隊に配備される見込みだ。 16式機動戦闘車は2016年以降、急ピッチで生産が進み、すでに200両以上が配備されている。さらにファミリー車両である共通戦術装輪車が加わり、陸上自衛隊は強力な機動部隊を全国に保有することになる。戦車の削減が続くなかで、16式機動戦闘車は次世代の陸上自衛隊の主力とも言うべき存在となろうとしている。
綾部 剛之