ロッキンの海津総合プロデューサー 「主役は観客」のフェス精神語る
日本最大級の野外ロックフェス「ロッキン」が2024年9月、5年ぶりに茨城県ひたちなか市の国営ひたち海浜公園に「里帰り」した。25年間、成長を続けてきたロッキン。主催する「ロッキング・オン・ジャパン」社長で、フェスの総合プロデューサーの海津亮さん(60)が、ファンに支持される会場づくりやホスピタリティーについて語った。 【写真】あなたにとって「ロックとは?」 ロッキンの運営トップの答えは 「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル」は、2000年に音楽評論家の渋谷陽一さん(73)=現ロッキング・オン・グループ会長=が立ち上げ、毎年、海浜公園で開かれる夏の風物詩として「ロッキン」の名で親しまれてきた。 「トイレに並ばないフェス」という認識も定着している。海津さんは渋谷さんとのやりとりを紹介した。「(渋谷さんは)音楽評論家で雑誌出版社を経営してきたので、年間100~200本のライブを見に行き、一般のお客さんと一緒にトイレに並んできた。『自分はイベント制作のプロではないが、お客のプロだ』と話していた」 渋谷さんのノウハウを受け継いだ海津さん。参加者が快適に過ごすためには、何が大切なのか。「豪華なステージをつくることではなく、トイレや入り口、動線の快適さ」と語る。その積み重ねでホスピタリティーが醸成されてきた、と明かした。(張守男) ■海津亮さんの略歴 かいづ・りょう 1964年東京都生まれ。キョードー東京を経て、松任谷由実さんの所属事務所・雲母社(きららしゃ)でコンサート制作を担当。2007年にイベント部長としてロッキング・オンに入社。16年にフェスプロデューサー、24年4月からロッキング・オン・ジャパン社長、フェス総合プロデューサー。 ■ロッキンについて 日本最大級の野外ロックフェス「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル」は音楽評論家・渋谷陽一さんが立ち上げ、ロッキンの名で親しまれてきた。2000年から毎夏、茨城県ひたちなか市の国営ひたち海浜公園で開かれてきたが、20年と21年は新型コロナの影響で中止に。22年から千葉市の蘇我スポーツ公園に拠点を移した。24年は25周年を記念し、ひたちなかと蘇我の両会場で開催された。
朝日新聞社