元日本代表・高原直泰がJ3移籍を決めた理由
■事実上の戦力外 高原の年俸は大きな負担に ユニホームの胸スポンサーが決まらないまま3月2日のJ2開幕を迎えたヴェルディは、深刻な資金難に陥っていた。チーム存続のため育成型クラブへの転換を考えざるをえない状況の中で、契約を1年残していた高原は事実上の戦力外とされてしまう。1200万円(推定)とされる高原の年俸は、ヴェルディにとって大きな負担となっていたのだろう。三浦監督からは何の説明も受けなかった。しかし、プロ生活17年目を迎え、ヴェルディが通算8チーム目になる高原は、チーム始動後の雰囲気ですべてを理解していた。 「オレを使う気があるかどうかなんてものは、何となくではなく、毎日練習していれば分かること。自分も何年も(この世界で)やってきているので、出て行って欲しいんだな、ということは言われなくてもね。このままヴェルディに残っていても、試合には出られない。この状態で日々を過ごしていても、自分にとっては時間がもったいない状態だったので」 ■現役として残された時間は多くない コンディションに特に問題がない状態でありながら、開幕から3試合連続でベンチ入りメンバーから外れた。6月4日にひとつ年を取る高原には、現役として、それほど多くの時間は残されていない。チームを移るしかない。覚悟を決めた直後に届いたのが、SC相模原からの期限付き移籍での獲得オファーだった。Jリーグの春の移籍ウインドーは3月28日に閉まる。高原は移籍を即決した。 「自分が公式戦に出場することだけを前提に、物事を考えていたタイミングで相模原から話をもらった。オレが早めに返事をしなきゃ(移籍期限に)間に合わない状況だったはずだし、お互いがクイックに動かなきゃいけないと思った。正式にオファーを受けたのは、移籍が決まった3日前くらいじゃないですかね。その時点で『行きます』と返事をしました。自分が相模原以外のチームにこだわって他を探していたら、何も決まらずにヴェルディにいることになったんじゃないですか」