三浦雄一郎さんが報告会 南米最高峰登頂を断念(全文2)90歳でエベレストへ
今回のチャレンジでどのようなメッセージを発信できたか
朝日新聞:朝日新聞の【ツジ 00:25:49】です。先ほど、大城さんのほうから、今回の断念の判断は重大なメッセージを送っていただいたというふうにありましたけど、三浦さん、雄一郎さんご自身は、今回のチャレンジ、結果も含めてですけれども、どういったメッセージを発信できたかというか、社会的な意義として今回の挑戦はどういったものだったかというのを、どのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。 三浦雄一郎:はい。先ほど大城先生、おっしゃったとおり、超高齢者になると、やっぱり自己診断ということがはっきりできないという様子が、僕自身も含めてあるんじゃないかと、そう思っております。っていうことで、今回、6000メーターまで行ってみて、まだ、少しは余裕を感じそうだけども、ここで撤退したほうが非常に客観的には安全であるということを大城先生が判断をされました。僕はそれに従いました。従いましたけども、先ほど先生おっしゃった、こういう超高齢者の高所登山、高所でなくても登山、やっぱり若いころは、私はあそこまで行ったんだと、時間でも2日で行ったんだということがどうしても僕の気持ちの中にも残ってました。っていうことで、今回もその3分の1ぐらいずつのスケジュールで、行程、組んでくれました。これは非常にいいと思ったんですけれども、これでもまだ実際、大城先生から見て、僕自身が6000メーターの生活を見て、あ、これはこの先行ったら危ないんじゃないかという判断を下されました。 これは客観的な要素であると、ドクターとしての判断だということで、これを受け入れるということに、僕も決断しました。 朝日新聞:それによって今回どういったことを。 三浦雄一郎:そうですね。まず1つは高所登山の場合、やっぱり余裕を持って体力的にも、【信念 00:28:29】、撤退すべきだと。限界まで行って、もう駄目だということでは、すでに遅い状況。遅いというのは、死亡事故につながると、そういう状態がありうると思いました。ということで、今回の先生の判断、僕自身が6000メーターでまだ余裕がある、これなら無事帰れるということでの判断だと、そう解釈して、それに従いました。 朝日新聞:それに関連してなんですけど、大城さんに伺いたいんですが、雄一郎さんの次の夢、90歳でエベレストというふうに今おっしゃっていただきましたけれども、それを実現するために、医師としての観点から、必要、これから時間を掛けて取り組まなければいけないような部分っていうのは、どういったところになりますでしょうか。 大城:はい。エベレストのどこまで行けるかは別としまして、やっぱり自分をきっちりコントロールしておくっていうことは非常に大事になります。あと4年あるので、4年掛けて今の病気をコントロールしていくというのと、少し体重が減るといいかなと思います。 あとはですね、やっぱ生活するのがすごく大変なんですよ。登る時間のほうが短くて、遠征って、生活が中心なので、やっぱり高齢の方がもうちょっと生活しやすいスタイルの遠征をちょっと工夫するっていうことも、1つの方法じゃないかなと思います。