産休、子育て…築き上げてきたキャリアを手放し、居場所を失う不安に臨床心理士がアドバイス
体と同じく、ココロも健やかな状態でいたいものだけど、メンタルケアは何かと根性論や「気の持ちよう」で語られがち。悩みは、実は心理学的なテクニックで対処できるものも多いという。 【写真】無視しないで! 不安がもたらす6つの身体症状 そこで、臨床心理士の南 舞さんが、読者のお悩みに具体的な対処法をレクチャー。今回のお悩みは、『頑張らないと職場に居場所がなくなってしまうのではないかと不安になる』という30代女性のご相談です。 ▼南 舞さん 臨床心理士。岩手県出身。多感な思春期時代に臨床心理学の存在を知り、カウンセラーになることを決意。大学と大学院にて臨床心理学を専攻し、卒業後「臨床心理士」を取得。
居場所がなくなったらどうしよう......
相談者Dさん:「自分の居場所がなくなってしまうのではと不安 ......」 新卒の頃から今の会社で働き続けています。最初はできないことも多くて悔しくて、悲しい思いも経験しましたが、なんとか諦めずに頑張って、30代になってようやく自分の頑張りを認めてもらえるようになりました。今の仕事はとても楽しいし、やりがいを感じています。プライベートでは、お付き合いしていた方と1年前に結婚しました。そろそろ妊娠や出産、子育てのことなども2人の中で話題に上がります。私自身も子どもがほしいと思いますが、一方で頭の中にチラつくのは復帰後の仕事のこと。妊娠・出産・子育てによってこれまでのように働けなくなることは容易に想像がつきます。そうなると、「これまで築き上げてきた自分の居場所がなくなってしまうのではないか」と考えてしまいます。しょうがないことだと頭の中では分かっているつもりですが、そのことになると不安な気持ちでいっぱいになり、気持ちが落ち込んでしまいます。こんな時、どうやって考えていったら良いのでしょうか。気持ちの立て直し方などアドバイスをください。 臨床心理士・南さん:「まずは不安を整理してみましょう」 Dさん、お悩みを寄せてくださりありがとうございました。妊娠・出産・子育てのことって、働く女性にとって一度は壁にぶち当たることではないでしょうか。新卒から働き続けて、悔しさ・悲しさを経験しながらも必死で頑張って。やっとの思いで居場所を築いたのであれば、復帰後の居場所のことを考えて不安になるのは自然なことだと思います。 Dさんのお悩みを聞いていて、今後の先の見通しが持てていないことが、不安の気持ちを高める要因になっていたり、不安な気持ちになった時の対処が難しいことで、不安の感情に飲まれて気持ちが落ち込むということが起きているのかな? と感じました。不安の感情とうまく付き合う方法を知ったり、思考の転換をすることで見方が変わると、少し安心できるのではないかと感じています。そこで、それに役立ちそうな方法や試してみてほしいことをご紹介しますね。