2024年NPB最優秀審判員賞は29年目の敷田直人が初受賞
日本野球機構(NPB)は18日、2024 年シーズンの「最優秀審判員賞」「審判員奨励賞」「ファーム優秀審判員賞」「ファインジャッジ賞」を発表した。 最優秀審判員賞は審判歴29年目の敷田直人(53)が初受賞。選考理由は「長きにわたる審判経験により、リーダーシップやゲームマネジメント力が増したことで、クルーチーフとしての役割が十分に発揮された。何より判定技術や正確性に安定感があり、名実ともにNPBを代表する審判員へと成長した」。 審判員奨励賞は岩下健吾(36)。選考理由は「卓越した技術と判断力をもって、多くの試合で素晴らしいパフォーマンスを発揮。難しい状況下でも瞬時に適切な対応を取る姿や審判員としての自己研鑽(けんさん)を怠らない行動は若手審判員の見本となっている」。 ファーム優秀審判員賞は松本大輝(27)。選考理由は「卓越した技術と強いリーダーシップで、ウエスタン・リーグ公式戦で冷静かつ的確に判定を重ね、今季は1軍での球審デビューも果たした。若手のリーダー格であり、周囲の信頼を多く集める姿も評価された」。 ファインジャッジ賞は芦原英智(40)、牧田匡平(45)、市川貴之(43)、岩下健吾(36)の4人。対象となった試合は以下の通り。 芦原は一塁塁審を務めた4月14日の中日-阪神3回戦(バンテリンドーム)。七回裏2死二塁。打者・木下(中日)の放ったゴロを三塁手・佐藤輝(阪神)がさばき一塁へ送球。この送球を一塁手が一度は捕球したかに見えたが、空中でお手玉してしまったプレーに対して、完全捕球されていないことを見極め、セーフの判定を的確に下した。 牧田は一塁塁審を務めた8月6日の巨人-広島14回戦(東京ドーム)。八回裏1死一塁。打者・吉川(巨人)の一塁へのライナー性の打球処理に対し、ノーキャッチの判定を下すと、一塁手・田中(広島)は一塁ベースに留まっていた一塁走者を先にタッグしてから、一塁ベースに触塁。このプレーに対して、両走者(一塁走者、打者走者)のアウトを的確に判定した。 市川は一塁塁審を務めた9月10日の日本ハム-西武21回戦(エスコン)。八回表1死一塁。打者・柘植(西武)のバントが小フライとなり、これを投手・伊藤(日本ハム)があえてワンバウンドで捕球し一塁へ送球。同審判員は、ベースカバーに入った二塁手・石井(日本ハム)が送球の捕球後、先にベースに触塁し、その後一塁走者にタッチしたことを正確に捉え、両走者(打者走者、一塁走者)のアウトを判定した。
岩下は一塁塁審を務めた9月19日の巨人-DeNA22回戦(東京ドーム)。一回裏1死一、二塁。打者・モンテス(巨人)の打球が一邪飛となり、一塁手がこれを捕球。その後、二塁走者がタッチアップを試みたため、三塁へ送球するがこれが悪送球となり、左翼手からの本塁への送球がクロスプレーとなった。一邪飛の打球判定に集中していた球審を見た同審判員は、即座に本塁へのベースカバーに入り、このクロスプレーをセーフとジャッジ。このベースカバーは通常マニュアルにはないものであったが、過去にない優れた判断であり、非常に効果的な対応であったことが評価された。