リーガルテック世界一へ、LegalOnが実現した「理想のプロダクト」とは
リリース前に200社の導入が決まった理由
米国法人でいち早く生成AIの最新技術をキャッチアップし、日本と連携しながら150人規模の開発体制を敷いた。日米で、リーガルテックやAIに精通した人材も幹部として続々と参画し、強いチームができていった。「着実に市場の信頼を得て、成長を重ねてきた今のLegalOn Technologiesだからこそ実現できた開発体制です」と角田は強調する。 こうしてつくり上げられたLegalOn Cloudは、リリース前に200社の導入が決まるという順調なスタートを切った。「ひとつのプラットフォームで法務・契約業務全体をカバーできるサービスを、それだけ多くの企業が待ち望んでいたということでしょう。これまで提供してきた価値を評価してくれた顧客が、LegalOn Cloudのより発展的な新しい価値に期待してくれている部分も大きいと実感しています」 ■際立つ米国での成長スピード 海外の市場開拓も順調に進みつつある。23年4月に米国版LegalForceともいえる「LegalOn Global」をリリースし、直後から現地企業の導入が進んだ。「プロダクトのリリースから現在のARR(年間経常収益)に到達するまでの期間は、米国のSaaS企業のなかでも上位25%に入る水準です。プロダクトの開発着手からの期間なら、さらに成長のスピードは際立っています」と角田は手応えを語る。新たなグローバル戦略の構想を来春には実現させる見込みとし、成長のさらなる加速を図る。 さらに今年10月には、英国市場にも進出。LegalOn Globalをイギリス英語に対応させ、英国法にモディファイしたサービスとして提供し始めた。「英国企業は法務部門が少人数というケースが多く、置かれている状況や課題が日本と似ているんです。英国はリーガルテック市場全体も盛り上がっているので、楽しみですね」 LegalOn Technologiesが掲げる「グローバルでナンバーワンのリーガルテックカンパニーになる」という目標に向け、それにふさわしい組織体制を構築し、自信をもって市場に価値を問うことができるプロダクトをリリースした自負がある。一方で、それでも成長をもっと加速させなければ何も成し遂げられないという危機感も。角田が先頭に立ってLegalOn Cloudの価値を顧客に届け、顧客からのフィードバックをさらなる価値の還元につなげていく。 角田 望◎2010年に京都大学法学部を卒業し、同年、旧司法試験合格。12年、弁護士登録(第二東京弁護士会所属)。森・濱田松本法律事務所を経て17年に独立。同年、法律事務所ZeLoとLegalForce(現 LegalOn Technologies)を創業。 「Forbes JAPAN」2025年1月号では、「日本の起業家ランキング 2025」BEST10に選出された10組の起業家たちのインタビュー記事のほか、日本発の主要なスタートアップ起業家を網羅した新企画「日本の起業家名鑑400」、VC業界が注目する「日本で最も影響力のあるベンチャー投資家ランキング」、Forbes米国版が次なるユニコーン企業25社を選出した「NEXT BILLION-DOLLER STARTUPS」の最新版も掲載。スタートアップ・シーンの今と未来が見えてくる決定版として、内容盛りだくさんでお届けする。
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