米株・国債上昇持続へ、タカ派FRBへの懸念後退-MLIV調査
(ブルームバーグ): ブルームバーグが12日の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合の結果発表後に実施した「マーケッツ・ライブ(MLIV)パルス調査」では、投資家がタカ派的な米金融当局への懸念を和らげたことが示された。これはインフレ鈍化により米経済のソフトランディングがなお可能とみられていることを示唆している。
調査参加者97人の半数以上が、今年に入って14%上げているS&P500種株価指数の強気局面は米金融当局の行動いかんにかかわらず続くだろうと回答。4分の1近くが株価の上昇には金融緩和が必要だとした。
また回答者の62%が米国債相場は昨年に続き今年も上昇すると予測しており、投資家の間で米国債の反発局面が続くとの確信が強まっていることが示された。ブルームバーグ米国債指数は今年に入って12日までで少なくとも0.8%下げている。
FOMCの発表前に5月の基調的なインフレ指標が予想以上に鈍化したことが明らかになり、株と債券が急伸。FOMC参加者のドット・プロット(金利予測分布図)で今年の利下げ予想が前回の0.25ポイントずつ計3回から同1回に変更されたものの、それにもかかわらずトレーダーが年内2回の利下げ見通しを強めたことを意味する。
米CPIコア、2カ月連続でインフレ抑制示す-FOMCに朗報か
「より良好な内容」
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長はFOMC会合後の記者会見で5月の消費者物価指数(CPI)統計について「今年の早い時期より良好な内容」と評価。労働市場ないし物価圧力が予想以上に速いペースで軟化した場合はFRBは速やかに調整する用意があると示唆した。
フィデリティ・インターナショナルのマクロ・戦略的資産配分グローバル責任者、サルマン・アーメド氏は「パウエル議長は特にインフレに関して最新のデータフローの重要性を強調し、記者会見はより含みを持たせる内容になった」とし、「FRBは政策決定において予測への依存を完全に放棄した。このため今後も政策と市場でデータに頼っていくとわれわれは引き続き予想している」と説明した。