仮想現実体験「バーチャルリアリティー」普及の壁は
音楽、スポーツ...あらゆるコンテンツで普及をはかる
サムスンは3月、東京・渋谷で開かれた英音楽バンド「Underworld」のライブを、VRゴーグル「Gear VR」を用いて生中継。会場に入れなかったファンが会場外でゴーグルを着けてライブ映像を視聴し、ライブ会場にいるかのような臨場感ある映像体験を味わった。同月からは、プロ野球横浜DeNAベイスターズの練習風景を配信。球場で「Gear VR」を販売したところ、VRを全く知らなかったDeNAファンが購入することもあったという。4月にはカドカワが運営する通信制高校「N高校」の入学式を沖縄と東京間でVR生中継し、話題を呼んだ。 「普及の一番の鍵は、その人にとって見たいコンテンツがあるか?ということ。あらゆるジャンルのコンテンツを用い、消費者の体験の機会を増やしていきたい」と同担当者。家電量販店を飛び出し、あらゆるジャンルの体験型イベントと連動させることで、VRの普及をはかる。
ゲームも「いかに体験の機会を提供できるかが最大の課題」
日本でのVRの知名度が本格的に高まることが予想されているのが、今年10月発売予定の「プレイステーションVR」だ。「ゲームは特にVR体験に適している」と、ソニー・インタラクティブエンタテインメントのマーケティングコミュニケーション部。その上で、「いかに体験の機会をご提供できるかが最大の課題」と話す。プレイステーションVRは2014年の東京ゲームショウで国内で初めて一般出展したところ大きな反響を呼び、体験希望者は増え続けているという。発売予定の秋に向け、東京ビックサイトで3月に開かれた日本最大級のアニメイベント「AnimeJapan 2016」や、日本科学未来館で開催中の「GAME ON ~ゲームってなんでおもしろい?~」に出展するなど、大規模展示会などでの体験の機会を増やしている。
家庭用ゲーム機やソフトではなく、「体験型施設」としてVRを体験できる施設をオープンしたのは、バンダイナムコエンターテインメントだ。