プレイステーション 4 発売間近 有料オンラインプレイは根付くか?
ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の据え置き型ゲーム機「プレイステーション 4(PS4)」が、ついに日本国内での発売まで1ヶ月を切りました。しかし、これまでに登場したPlayStationシリーズと比べて、発売前の盛り上がりムードに欠けているのは気のせいでしょうか? それに伴い、オンラインプレイの有料化についてもいまひとつ浸透していないように感じます。そこで、最近のゲーム業界事情からオンラインプレイ有料化の意図を探ってみましょう。 「Xbox One」に大ブーイングなぜ?
待たされすぎた日本のゲームユーザーたち
PS4は、2013年2月20日(現地時間)に米ニューヨークで行われたイベント「PlayStation Meeting 2013」で発表され、同年11月15日に北米地域から販売を開始しました。その後は11月29日に欧州とラテンアメリカで、12月から2014年1月にかけては日本を除くアフリカとアジア地域で発売。日本ではようやく2014年2月22日に発売が予定されています。 国内発売直前でも盛り上がりムードに欠けている理由としては、やはり“後回し感”が挙げられるでしょう。もちろん、ゲームコンテンツの市場規模が縮小している日本ではなく、より多くの需要が見込める北米で最初に販売を開始したのは、企業の利益を考えれば当然です。北米ではクリスマス商戦が特に重要であり、ここで販売数を稼ぐため在庫の大半を投入する方法も納得できます。しかし、他国で次々と発売されるのを見ている日本のユーザーからすれば「ソニーは日本の企業なのになぜ発売日が最後なの?」という不満が出てきてもおかしくありません。発表当初は盛り上がっていたゲームユーザーも、待たされすぎて熱が冷めてしまった感があります。
販売の遅れは“キラータイトル”の開発待ちか?
SCEが日本の国内販売を遅らせた背景にはもうひとつ、国内メーカーのゲームタイトル開発を待つという側面もあったはずです。PS4は、旧世代機である「PlayStation 3(PS3)」とゲームタイトルの互換性がないため、欲しいタイトルが出るまでPS3のゲームをプレイする、ということができません。実際、インターネット上でも「PS3のゲームができたら買うんだけど…」といった意見をよく見かけます。 コンシューマ向けのゲーム機は、発売タイトルによって売れ行きが大きく左右されます。いくらスペックが良くても、ゲーム機である以上は魅力的なタイトルがなければ意味がありません。その点、PS3と互換性のないPS4は同時発売となるゲームタイトルにかなりの質が要求されます。高い知名度と魅力を持ち、ユーザーに「このタイトルがプレイしたいからゲーム機本体を買う」と思わせる、いわゆる“キラータイトル”の存在がPS4本体の販売台数に大きく影響するため、これらの開発状況が整うのを待ったといえるわけです。