プレイステーション 4 発売間近 有料オンラインプレイは根付くか?
意外に浸透していないオンラインプレイの有料化
こうしたトーンダウンは、PS4自体の基本的な情報が一般ユーザーに伝わりにくい状況を作り出しています。たとえば、PS4のオンラインプレイは有料の「PlayStation Plus(PS Plus)」に加入する必要がある、という情報も意外に知らない人が多いようです。日頃からゲーム関連の雑誌やポータルで情報収集している人は別ですが、何も知らずにPS4を購入したユーザーが「パッケージソフトを買わせた上にマルチプレイでお金を取るの!?」といった事態も起こりかねません。 コンシューマ向けの据え置き型ゲーム機では、PlayStationシリーズのライバルといえる米Microsoftの「Xbox/Xbox360」、そして欧米などで2013年11月22日に発売された新製品「Xbox One」が、オンラインプレイにあたり「Xbox Live」の有料会員「Xbox Live ゴールド メンバーシップ」への加入を義務付けてきました。PS4もこの方式を追いかける形となりましたが、従来機のPS3が無料でオンラインプレイを楽しめただけに有料化への反響は大きく、中には無料と勘違いして購入するようなケースも出てきそうです。
オンラインサービス主体のビジネスはゲーム業界全体にメリット
オンラインプレイの有料化には賛否両論ありますが、もし単純にオンラインプレイのみを有料化するのならば、圧倒的に否定的な意見が増えるでしょう。しかしここで重要なのが、PS Plusというオンラインサービスに含めて提供する点です。PS Plusには、発売前タイトルの先行プレイや体験プレイ、ディスカウントなどに加えて、回数や時間制限なしで年間55本(予定)のゲームタイトルを楽しめるシステムがあります。これらを付加価値として提供することで、ユーザーとしては「これだけ遊べるなら有料でもいいかな」と思えてきます。SCE側では販促活動にもなりますし、何より安定して継続的な収益を見込めるのが非常に大きなメリットです。 また、最近のゲームタイトルはパッケージ版とダウンロード版の併売、もしくはダウンロード版のみといった提供形態が増えていますが、こうした時流もオンラインサービスをベースにしやすい要因のひとつです。ゲーム業界では、メーカー側に利益が還元されない中古市場への流出、そして海賊版の蔓延が深刻な問題となっています。しかし、ユーザーがオンラインでゲームタイトルを購入する機会が増えれば、いずれも大きな抑制効果となるでしょう。つまり、オンラインサービス主体のビジネスへ移行することは、ゲーム業界全体にとってもメリットが生まれるわけです。そのほか、一部のゲームで問題視されているプレイマナーの悪さが、有料化によって改善方向へ向かうのではといった意見もあります。