【オリックス】「功労者」中嶋聡前監督は退団へ 球団が用意したポストも〝固辞〟する背景
オリックスの指揮官を今季限りで退任した中嶋聡前監督(55)の退団が決定的な状況になっている。 今季最終戦となった10月6日の楽天戦後、中嶋氏は「新しいことを始める時には新しい人がやるべき。今まで通りやっても人は慣れる。その慣れという部分が今年はより強く出てしまった」と電撃辞任を発表した。 球団は監督在任4年間でパ・リーグ3連覇を成し遂げた功労者に対し新たなポジションを用意し慰留を図ったが、この決断に至った中嶋氏の意思は固くこれを固辞。1987年の阪急(現オリックス)入団以来、37年間に渡って携わってきた現場の第一線を離れ、一度外から野球を見たいとの意向を貫いたようだ。 中嶋氏に近い関係者は「監督業は一般人には想像もできない激務で孤独な仕事。日本一を成し遂げた2022年以降の2年間は常に辞めるタイミングを考えていた」と語るほど煮詰まっていたようで、ほぼ37年間、現場の第一線で戦ってきた名将は身を引くベストなタイミングを図っていたようだ。 孤独で激務な監督業の報酬はそれほど高いものではなく、今季の中嶋監督の年俸も1億円(推定)。その一方で、SNS時代の昨今は成績が伴わなければ時に厳しく、過激な批判がダイレクトに指揮官のもとへ飛んでくる時代となっている。 一度心身をリセットして野球を外から眺めたいという気持ちになるのはある意味で、必然の流れかもしれない。
東スポWEB