真冬の川に約1カ月…甘みが増す伝統の「寒ざらしそば」 かつては将軍への献上品、ファンは年々増加中
長野県伊那市高遠町のそば店などでつくる高遠そば組合は、江戸時代に旧高遠藩が将軍に献上したとされる伝統の「寒ざらしそば」の提供に向け、ソバの実約250キロを同市長谷の粟沢(あわさわ)川に浸した。雑味が抜けて甘みが増すというソバは年々ファンが増えており、今年の仕込み量は過去最多。7月19日から組合加盟7店が提供する予定だ。 【写真】ソバの実が詰められた袋
この日は組合員7人が参加。地元産のソバの実を詰めた袋を水温4度の川に入れ、ロープで周辺の木に固定したり、重しとなる石を上に乗せたりした。実は2月3日に引き上げ、寒風にさらして1カ月ほど乾かすという。
加盟店の「華留運(けるん)」店長で同組合副組合長の小松貴志さん(46)によると、乾燥期間にソバの実が凍るほど厳しい寒さになることが品質向上の鍵になる。小松さんは一層の冷え込みを期待しつつ「リピーターの期待に応えられるよう、おいしいソバになってくれたらいい」と話した。ソバは、各店舗約150食ずつ提供する計画。1食1200円(税込み)から。