“あの人は今”状態だった名ボクサーに「それダサいよ」 名物女性マネは『極悪女王』でも強烈インパクト
“あの人は今”状態だった名ボクサーをよみがえらせた
ボクシングでは27戦24勝2敗1分。パワーのある外国人相手に日本人離れした強打を誇ったが、格闘技転向後は思うような結果が出ず、黒星を積み重ねた。西島は進退を明らかにしないままリングから遠ざかり、丸3年を迎えようとしていた。 「ネットで検索しても“あの人は今”みたいな記事しか出てこない状態」 表舞台からなぜ消えたのか。その理由を聞くと、再びANNAは語気を強めた。 「最後6連敗かなんかでちょっと気持ちが落ちて引きこもりみたいになっちゃって下がったんだよねって言うから、いやそれダサいよって。もったいないよ、あなたの洋介山って名前はグッチとかのブランドと一緒なんだから! これだけファンがいるんだからそんな引き下がり方じゃなくて、1回試合してかっこよく下がりなよって」 友人からの猛ゲキに、西島が絞り出した答えは「じゃあマネジメントやってよ」だった。ANNAは「全然いいよ。やってあげるよ」と即答。こうして異色の越境コンビが結成された。 西島は2つのマネジメント事務所に所属していたが、ANNAはきれいに整理することを条件にした。誓約書を書かせて籍を抜くと、西島にけじめのリングを用意するべく動き出す。1年後、西島はボブ・サップとの引退試合に臨み、KO勝利。西島の強い要請もあり、ANNAはリングガール姿を披露することになったが、歓喜の輪の中、10カウントゴングを鳴らすことができた。 リングから離れた時期、西島はボディガードの仕事をして食つないでいた。それが、現在は、多くの現役格闘家のコーチとして往年の技術を教えている。仕事は順調で、表情も明るくなった。「全然変わりましたよ。引きこもりから表にパーって出るようになったんで」 スタートが友人同士ということもあり、ANNAとは公私関係なく、マネジメント以上の絆で結ばれている。オフの日に西島がANNAの自宅で犬の世話を引き受けることもある。 「友達になってマネジャーになって、今度親友になって16年17年たって今はもうきょうだいですよね。フフフ。手のかかる弟です」とANNAは笑顔を見せる。