行定勲監督の現場に“現れる”憧れの人…「イヤじゃないですか、演出家として」
日本映画界の第一線で活躍する映画監督の黒沢清(69)、行定勲(56)らが21日、都内で2001年に亡くなった相米慎二さんの監督作「お引越し」、「夏の庭 The Friends」の4Kリマスター版(27日から順次全国公開)の先行上映イベントを行った。 【画像】行定勲監督の現場に“現れる”憧れの人…「イヤじゃないですか、演出家として」 相米監督は、「セーラー服と機関銃」や「台風クラブ」で知られ、1993年に公開された「お引越し」は、昨年のヴェネチア国際映画祭クラシック部門で最優秀復元映画賞を受賞し、ヨーロッパ各国や北米で話題に。1994年公開の「夏の庭 The Friends」も今年、香港国際映画祭でワールドプレミア上映され、相米監督を“再発見”している世界各国での上映を経て、日本でも凱旋公開される。 。 相米さんが憧れの存在という行定監督は「亡くなってだいぶ経つのに、今月だけでも相米って名前を3回くらい聞いた」と言い、仕事で話す機会のあった浅野忠信、永瀬正敏、中井貴一から相米さんの話をしたそう。「みんなうれしそうにしゃべっている。そういうところにも憧れる。俳優たちにそれだけ印象を残して、僕の現場で相米さんの話を持ち込まれたらイヤじゃないですか、演出家として。でもやっぱりかなわないと思っちゃう」と再敬礼した。 「セーラー服と機関銃」で助監督を務めた黒沢監督は、100テイク重ねたり、カメラワークが破綻するなど、相米さんの“裏側”を知る間柄。行定監督から「どうして雨(のシーン)って、手前だけしか降らせないんですか?いつでもそうなんですよね」と素朴な疑問を投げかけられ、黒沢監督は「僕もどうかと思いますよ」と苦笑い。「やっぱりスタッフが追いついてないんだと思いますよ。事前に言ってくれれば用意したのに、こんなに引きで撮るの?とか」と当時を思い返し、「ミスであれ何であれ、へんてこりんなものが好きだった。変であることは悪くないんだっていうようなことはあった」と相米さんの人柄を懐かしんでいた。
テレビ朝日