ペダル踏み間違い時加速抑制装置、国連基準化 2025年6月義務化へ 日本発の技術が世界標準に
国土交通省は、国連の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)で「ペダル踏み間違い時加速抑制装置(ACPE)」が国連基準化されたと発表した。2022年から日本が基準策定に向けた議論を主導しており、日本発の技術が世界標準として認められた格好だ。今回のWP29では、2025年の役員選挙も行われ、23年から本会議の副議長を務めている国交省の猶野喬物流・自動車局車両基準・国際課安全基準室長が再選された。 高齢ドライバーらによる誤操作事故の頻発を踏まえ、日本は22年にACPEの国連基準策定をWP29加盟国に提案し、技術要件や評価方法、各種データなどの提供とともに、基準案づくりを主導してきた。 ACPE基準案は、例えば、急発進抑制に関する要件を「障害物の手前1メートルおよび1.5メートルに停止状態でアクセルをフルストロークまで踏み込んだ場合に障害物に衝突しないこと」や「障害物との衝突時の速度が時速8キロメートル超えず、障害物がない状態に比べて30%以上、速度が低下していること」と規定した。自動変速機(AT)を備えた乗用車(乗車定員9人以下)が対象だ。 日本は、来年6月に予定される国連基準の発効に合わせ、道路運送車両法に基づく省令を改正し、ACPEを義務化する方針。適用時期などの詳細は今後詰める。 日本は、欧州以外の国で初となるWP29の副議長を23年から務めている。今回の再選により、猶野氏は3期連続で副議長を務めることになる。WP29ではこのほか、地球温暖化対策などの環境対策を担当する会議体(GRPE)の副議長を交通安全環境研究所の新国哲也環境研究部長が務めることも合意された。