TKO木本、投資トラブルで失った「本当に大切な物」 億単位の借金を抱えた以上の「喪失感」だった
さらに、”説教キャラ木本”は、周りの人間にも「人から信用されるのが大事やで」と声を大きくして伝えてきた人間だったのです。 ■投資トラブルによって大暴落した信用 その自分が、多くの人からの信用を失う過ちを犯しました。 僕はそのとき、芸人・TKO木本武宏は「詰んだ」と思いました。それ以上に人間・木本武宏の信用が「地に落ちた」と感じました。 小学校のときからリーダーシップを発揮して「これはおもろいで」と周りにたくさんのものごとを”推し活”してきました。芸人になってからも、それは続いていました。
家電芸人として、「木本きっかけで売れた」「木本きっかけで芸能界に浸透した」アイテムがいくつもありました。それが可能だったのは、僕の周りを巻き込む話術と、「木本がいうことなら間違いない」という信用があったからにほかなりません。 それが、投資トラブルによって大暴落したのです。 「人から信用されること」の裏返しに、「人を信用すること」があります。そこでも僕はしくじってしまいました。FXの運用を任せていたAという男とは、家族ぐるみでつき合っていたつもりです。彼だけでなく、母親とも電話をする仲でしたから。僕としてはファミリーに裏切られるのは完全に想定外。こちらはファミリーと思って信頼していましたし、向こうも同様だと疑いもしませんでした。そこが僕の甘さです。
また、別の意味で「ああ、そうなんや」と思い知らされたことがありました。 Aに逃げられた後、どうやってことを収めるか仲間たちと話しているときでした。ある人物が僕にこう詰め寄りました。 「だって、私は木本さんを信用してお金を出したんです。木本さんは、その信用を裏切った。木本さんがお金を返済するのはとうぜんです」 僕に反論する気力はありませんでした。 ■億単位の借金を抱えたこと以上の「喪失感」 まだ暗号通貨に手を出している時代、仲間の一人が、いわゆる「草コイン」と呼ばれる、海のものとも山のものともつかないような怪しい暗号通貨に手を出していました。別ルートから聞き込んだ情報を鵜吞みにして買ったようでした。僕は彼に本気で怒りました。