首里城に「金龍」を搬入 腕は県産クスノキを使用 金箔塗り来春設置へ 正殿の「隠れキャラ注意して見て」 沖縄
2026年秋の完成を目指し再建工事が進む首里城正殿に20日、正殿正面中央の向拝部奥に設置される木彫刻物「金龍」が搬入された。今後は国によって金箔の塗装作業が施され、25年4~5月頃に正殿に設置される予定だ。 【動画】超リアル 首里城のデジタルツイン(VRデータ)
金龍は、向拝部奥に設置される阿吽(あ/うん)形一対の木彫刻物。平成の復元を踏襲しており、高さは約1・3メートル。宝珠を求めて高く突き出した龍の腕は県産クスノキが用いられ、その他の部分は埼玉県産のクスノキが使用されている。製作は県立芸術大学が担当し、製作期間は約3カ月。 金龍の吽形の彫刻を担当した県立芸術大学出身で彫刻家の吉田俊景さんは「作業をしている時は夢中だったが、かわいい金龍が完成した。金色に塗られるのを見るのが楽しみだ」と笑顔を見せた。阿形を担当した県立芸術大学非常勤講師の儀保克幸さんは「首里城の彫刻物の中でも立体的で動きがある作品」とし、「(正殿正面の)上の方にあって隠れキャラのよう。注意して見てほしい」と見どころを語った。 首里城正殿には同日、県産のイヌマキ(チャーギ)を用いた、国王専用階段の「手すり」も搬入された。手すりは、玉座にあたる1階御差床(うさすか)の裏にある特別階段に取り付けられるもの。沖縄本島、八重山、宮古地方から調達した県産のイヌマキのみで製作した。沖縄総合事務局の担当者によると、25年2月頃に正殿に取り付けられ、その後、塗装に入る予定だ。
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