慣らし飼育期間に1頭病死…ミャンマーからやってきたゾウ公開、福岡市動物園の入園者が1週間で1・8倍
ゾウの一般公開を始めた福岡市動物園(中央区)の入園者が、公開から1週間で前年同時期の約1・8倍に増加したことが園のまとめで分かった。(原聖悟)
ゾウは、今年7月30日ミャンマーから4頭(雄1頭、雌3頭)が空輸された。来園して、慣らし飼育の間に雌1頭が病死したが、11月30日に3頭の一般公開が始まった。
園によると一般公開から1週間(11月30日~12月6日)の入園者は約1万8000人。昨年の同時期は約1万人だった。通常、12月は繁忙期の4、5月に比べて入園者は4割程度まで落ち込むが、今年は、家族連れや海外客が多く訪れている。ゾウの柵の前で長い時間、観察する人もいるという。
特に愛らしく動き回る子ゾウの「わかば」(3歳)が人気で、ぬいぐるみや文房具など関連グッズの売れ行きも好調という。
川越浩平園長は「冬は動物園にとって閑散期。まだゾウを見てない人もぜひ足を運んでほしい」と話している。
若きリーダー・白浜さん、経験豊富50歳・福原さん…チーム一丸で飼育
ゾウを担当するのは20、30代中心の飼育係員7人。白浜祥平さん(32)がリーダーとしてチームを束ね、それを「後方支援」するのが最年長の福原晋弥さん(50)だ。
とべ動物園(愛媛県砥部町)でゾウなどを担当していた白浜さんは、Uターン就職を希望し、2021年に市動物園へ。一方、福原さんは1996年に市動物園に採用され、14年間、ゾウを担当したベテランだ。
ゾウが来園して4か月が過ぎた。2人は互いに支え合っており、白浜さんは「経験豊富で色々助言をくれる。ムードメーカーでチームを和やかにしてくれる」と頼り、福原さんも「熱意を持って取り組んでいる。私の方が尻をたたかれている」と話す。
2人は「ゾウがずっと市民に愛される存在となるよう力を合わせて頑張っていきたい」と話している。
死んだ雌ゾウ、博物館へ寄贈
福岡市動物園は13日、9月に死んだ雌ゾウ「すい」(当時12歳)について、東京大学総合研究博物館(東京)に寄贈したと発表した。研究に活用され、その後、骨格標本として同館に収蔵される。
死因についても、北海道大と山口大による検査結果を総合して、ゾウヘルペスによる病死だったと発表した。