Z李のリーダーと目される田記容疑者とともに逮捕された人気ラッパーの下田容疑者。送検される瞬間、まるで笑っているかのような表情を浮かべた

わずか１ヵ月で2度目の逮捕となった。 12月4日、警視庁暴力団対策課は渋谷のクラブへの襲撃目的の建造物侵入とセキュリティへの暴力行為を働いたとして、建造物侵入および暴力行為等処罰に関する法令違反の疑いでアウトロー系インフルエンサー『Z李』のトップとされる田記正規容疑者（まさのり・43）を再逮捕した。田記容疑者に加え、有名ラッパーの『リッキー・ダディ・ダーティ』こと下田ムトアリツキー容疑者（36）らを含めた合計10人が逮捕されるという“大捕物”となった。 【画像】何かのサイン…？　逮捕された人気ラッパー「報道陣に見せた謎行動」とは…… 「田記容疑者は11月14日までにも、‘22年に江戸川区で起きた別件の住居侵入容疑で逮捕されていました。今回の逮捕は’23年12月に発生した事件になります。田記容疑者は下田容疑者らと共に渋谷区で行われていたラッパー『舐達磨』のライブを襲撃。さらに下田容疑者ら４人が、セキュリティーの男性を暴行した疑いが持たれています」（捜査関係者） 本誌カメラマンが田記容疑者の追送検に向かうと、護送車の中で完全に顔を伏せていた。姿を映されることがよほど嫌なのか、報道陣の前で護送車から降りることを拒否。最終的に護送車はそのまま警察署の地下へ入っていった。一方、下田容疑者はカメラマンを一瞥すると、笑うかのように白い歯を見せた。そんな不敵な表情を浮かべたまま、報道陣の前から走り去った。 ◆垣間見える警察の本気度 2度目の逮捕となったZ李こと田記容疑者。今後の捜査はどのように進められるのか。 「‘22年の住居侵入容疑は、すでに罰金10万円の略式起訴になっています。本来なら釈放されるはずですが、そのタイミングで当局は別件逮捕に踏み切りました。その背景には、全国で頻発する『トクリュウ（匿名・流動型犯罪グループ）』との関与があると見ているのでしょう。 今回の10名一斉逮捕で、前回と合わせた『Z李事件』の逮捕者は13名にのぼります。案件に応じて構成員を変える様は、まさにトクリュウと同じ。同じノウハウを使っているということからも、当局は、Z李がトクリュウと関わっている可能性は高いと見ています。彼らは毎回、どのような経路で人を集めているのか。また、どんな組織と繋がっているのか。Z李を調べ上げることで、トクリュウが起こす事件を解き明かすことができると考えているのです」（全国紙社会部記者） 今回の捜査体制は、渋谷署を本部に10以上の署が合同捜査本部を組んでいる。今月の逮捕には、30人以上の捜査員が動員されていることからも、警視庁がZ李をトクリュウ事件におけるキーマンと見ているのは間違いない。 「今回、現場からは人定不詳である被疑者１名が確認されています。現在は、その人物の特定が進められている。同時に、他の組織との繋がりを明らかにすべく、田記容疑者への取り調べも続けられています」（同前・捜査関係者） この回の再逮捕が、新たなトクリュウ犯罪を防ぐ端緒となればいいが……。