サトウ Vs. ムトウ 新日とJAがタッグ〝天下糖一〟プロジェクト
JAグループ北海道が進める砂糖の消費拡大に向けた「天下糖一プロジェクト」は、砂糖のイメージアップに向け、新日本プロレスリングとコラボレーションしたPR動画を制作した。人気レスラーが砂糖を愛するスイーツの使者「サトウ・ザ・シュガー」と甘いものを憎む「ムトウ・ザ・ブラック」に扮(ふん)し対決して、適量の砂糖はエネルギー源になることをアピールする。同団体の公式ユーチューブチャンネルで公開中だ。 砂糖は肥満や虫歯、糖尿病などにつながる“不健康なもの”というイメージがつきまとい、インターネット上には過度な糖質制限を促す言葉があふれる。「砂糖への誤解を解きたい」とのプロジェクトの趣旨に共感した同団体が、動画への出演に協力した。 動画では、真壁刀義さん演じる「サトウ・ザ・シュガー」が、本間朋晃さん演じる「ムトウ・ザ・ブラック」とリング上で戦いを繰り広げる。序盤、ムトウに押され気味だったサトウだが、セコンドから砂糖をもらうと、ブドウ糖の力で息を吹き返し、形勢逆転。札幌市の食文化にちなんだ「締めパフェホールド」なる絞め技などが決まり、勝利する。 砂糖を取るか、取らないか、という二項対立の構図で、視聴者の関心を引きつける。本物のプロレスさながら実況アナウンサーや解説者もおり、随所に砂糖の摂取による体や脳への効果などを伝え、メリットを訴求する。動画は9月19日に公開されると、プロレスファンなどから注目を集め、10月18日までの1カ月で1万3000回視聴された。 試合終了後、サトウ・ザ・シュガーは「砂糖を取って人生はスイートな方向にいく」とアピールした。プロジェクトでは今後もこうしたインパクトのある情報発信で、砂糖の消費を盛り上げていきたい考えだ。 (松村直明)
<ことば> 天下糖一プロジェクト
砂糖に関する正しい知識を発信し、原料となるテンサイの生産者減少や砂糖の消費低迷に歯止めをかけることを目指す、JAグループ北海道の取り組み。生産者の拠出金を原資として、2019年6月に開始した。24年度は他に、幼稚園や高校で砂糖に関する出前授業の実施、大手コンビニなどとコラボしたオリジナルスイーツの開発などを行う。
日本農業新聞