カネなし、コネなし、地盤なし…それでも上位で初当選 25歳の3人は地下アイドル兼職、内定辞退…「なり手不足」の地方議員、何が出馬に駆り立てた?
地元で育児などの困り事が相談できず、諦めにつながっている現状があります。身近に相談できる市議がいれば、東かがわに残るという選択肢が生まれるかもしれない。そういった存在に私はなりたいです。 ―東かがわ市議選(定数16)で3位当選しました。 選挙を手伝ってくれる仲間探しが大変で、これまでアイドル活動で知り合ったファンの方やグループのメンバーが助けてくれたのは幸いでした。人集めは同年代の候補者が一番苦労する点なんじゃないかと思います。 選挙期間中は、一部の方から「若い子がはしゃぎよる」と言われ、若さや元気さをマイナスに受け取られてしまいました。当選後は交流サイト(SNS)で「しょせんは広告塔だ」と中傷され落ち込みました。年が若いことを肯定的に取られるか、否定的に取られるかは紙一重です。同年代の候補者は負けずに頑張ってほしいです。 ―アイドルは続けますか。 続ける予定です。実は、当選した翌週に早速メイズムでライブしました(笑)。議会は平日にあるので、週末のアイドル活動は続けられそうです。お祭りやイベントなどの「娯楽が身近な町」を目指しているので、経験を生かして大きなライブイベントを自分で企画したり、招致したりもしていきたいです。メイズムは「自分らしく」という意味。自分らしく、できることからコツコツと始めていきます。 【一口メモ:政治活動の現場】
選挙に必要と言われる3要素が「地盤」「看板」「かばん」。それぞれ支持組織、知名度、資金を意味する。後ろ盾のない候補者は、選挙区内を歩き回って顔を売る「どぶ板選挙」が欠かせなかった。交流サイト(SNS)が普及し、ツイッターのフォロワーが数百万人という国会議員も現れた。活動の場はリアルに限らず、インターネット上にも広がる。 ▽高松市議選で当選した前川幸輝(まえかわ・こうき)さん(26)=当選時は25歳 前川さんは告示前、今回の統一地方選を「待ちに待った機会」と熱く語っていた。高校時代から政治の世界に関心を持ち、大学時代は香川県議のインターン、卒業後は国民民主党の玉木雄一郎代表の私設秘書として勤務した経歴の持ち主。 ▽政治と真摯に向き合う先輩の背中を追って ―立候補の経緯を教えてください。 就職活動をしている時に、玉木代表の公設秘書から立候補の誘いを受けました。複数の企業から内定をもらっていましたが、政治の道を目指したいと思い、辞退しました。卒業後は玉木代表の私設秘書をしていました。