年金暮らしをしています。物価高が続き家計が苦しいので 「シニア割」をうまく活用したいです。シニア割にはどのようなものがありますか?
食料品や日用品の値上がりが続いています。特に、シニアの生活に大きな打撃でしょう。そこで本記事では、レジャーや趣味、交際費の節約になるシニア割の利用を取り上げます。 ▼夫婦2人の老後、「生活費」はいくら必要? 年金額の平均をもとに必要な貯蓄額も解説
レジャー・交通費
2024年のゴールデンウィークは、最大9連休でした。観光地は、多くの人出でにぎわったようです。その一方でシニアの皆さんは、大型連休に限らず「平日の空いたときに混雑時を避けて出掛けよう」というのが王道かもしれません。しかし、レジャーの費用にも昨今の物価高が影響しています。 筆者は知人から、国立博物館の特別展に行ってきたという話を聞きました。「インバウンドですごく混んでいてね。ゆっくり見られなかったのに入場料は2100円もした。年寄りは無料にしてくれるとありがたいわね。その後、上野動物園にゴリラを見に行ったの。好きで時々見に行くのよ」と話していました。 最近の美術展は2000円くらいの料金設定が多く、当該の展覧会は「修復後初公開」の目玉展示でもあったそうなので、仕方がないかもしれません。 一方、動物園の話題に金額は登場しませんでしたが、調べてみると上野動物園の入場料は一般600円、65歳以上300円です(さらに老人週間の9月15日~21日は60歳以上と付添者1名は無料)。この料金設定やシニア優遇を知ってしまうと、2100円は高額に感じるでしょう。 しかし、同じ敷地内の東京国立博物館でも、特別展ではなく総合文化展(平常展)の入場料金は一般1000円、70歳以上は無料です。 ほかにも、国立科学博物館や国立西洋美術館の常設展などで、65歳以上無料の施設があります。無料でない施設でも、常設展は特別展と違い料金は安く設定されています。気軽に立ち寄れる場所として散歩コースに入れてはいかがでしょうか。 またスポーツジムに通うAさんは、週2回バスで通っています。本来は片道230円なので、1回当たり460円かかります。70歳になって東京都シルバーパスの対象になったので、約4000円/月節約できるといいます。 この東京都シルバーパスは満70歳以上が対象で、非課税の方は負担金1000円 課税の方は負担金2万510円で都営地下鉄やバスなどを利用することができる制度です(毎年9月末が有効期限)。定額なら交通費を気にすることなく出掛けられますので、ジムに通う回数を増やすことにも前向きになります。 概要はそれぞれ違いますが、高齢者向けに交通機関の割引制度を導入している自治体は多いので、役所などで確認されることをお勧めします。東京都の場合、シルバーパスを乗り継げば少し遠くまで行くことも可能なので、遠足気分を味わえるかもしれません。 旅行好きの方はご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、JRや航空各社もシルバー割引を導入しています。利用の仕方は各社で違いますので、事前によく調べておくことが必要です。割引料金になるメリットがあるということは、逆にデメリットも存在します。予約やキャンセルの方法など、一般利用との相違点を確認しておくことも大事です。